無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2021年04月

任意後見制度の問題点














 近年、独居高齢者の増加に伴い、財産管理を行う上で、任意後見人制度が注目されている。しかし、その数は決して多くはない。認知症などにより判断能力を失う前に、まだ判断能力があるうちに信頼できる者と任意代理の委任契約を結び、同時にその者を任意後見人とする任意後見契約を締結するのが一般的である。合理的な考えであるが、なかなか普及しない。その理由はどこにあるのか? 

判断能力が低下するまでは、通常の委任契約に基づき受任者が財産管理など委任内容にしたがった事務を行っていくが、いざ認知症になった後は任意後見監督人の監督のもと、任意後見契約に沿って後見事務を行っていく仕組みである。このような移行型が全体の4分の3を占めるという。この契約形態は切れ目なく、スムーズに財産管理などの後見事務を行うことができ、最も使い勝手がよいといえる。

只、令和元年7月29日時点の任意後見契約の登記件数(閉鎖登記を除く)は12万962件、うち任意後見監督人選任の登記がされている件数は3,510件(2.9%)と任意後見監督人を付けるケースは極めて少ないのである。問題点としては、本人の判断能力が不十分になっているのに、家庭裁判所が選任した監督人の監督を受けたくないがために、あえて任意後見監督人の申立てをしない事態が起こりえることである。申立てをしないと、いつまで経っても任意後見契約の効力は発生しない。

令和元年の件数をみても、任意後見監督人選任の登録は極めて少ないということは、任意後見契約に移行しないケースが多いと言える。受任者の70%が本人の親族というのが、その実態を物語っているように思う。要は任意後見人契約は結ぶが、実際の効力を発揮する前の段階で、委任契約に基づく財産管理を行い、そのまま判断能力が亡くなっても正式な任意後見監督人を付けずに、任意後見契約に移行しないというケースが多いと考えられる。

この段階で既に財産管理はできなくなっているのだが、このケースが多いと言うことはどういうことであろうか?要は親族が財産管理契約、見守り契約の段階で本人の財産を管理しきっている(善意に解釈して)とすれば、あえて判断能力が亡くなった段階で多額の費用がかかる後見監督人を付ける必要はないということではないか?任意後見監督人が選任されないまま本人が亡くなり、登記が閉鎖された割合が66%に上るというのは上記の理由によるものではないのか?本来は監督人の選任(=任意後見契約の発効)が必要だったのに、それがなされないまま本人が亡くなってしまったケースもかなりあるのではないかと考えられている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<一般的な任意後見制度が広まらない理由>
実は任意後見制度は成年後見制度と同時期に平成12年から利用できるようになった。しかし、成年後見制度と比べると任意後見制度を利用している方は統計的に少ないのはなぜか!?

その理由の1つに、手続きが非常に煩雑ということもあげらている。というのもまずは契約段階で必ず公証役場で任意後見契約書を公正証書で作成しなければならず、慣れていない人からみるとかなり面倒。そして、実際に任意後見人として後見に移るときも家庭裁判所に、後見監督人の申立を行わなければならない等これまた、慣れていない人からみたら大変な手続きである。又、適任者を選ぶのに難儀をする。このようなことから、なかなか利用者が増えない、制度が広まらないということがおこっている。

<任意後見制度の問題の整理>
第1に、まずは、なかなか任意後見に移行されないという点が指摘されている。任意後見契約はそれだけ単独で契約するのではなくて、その前提として財産管理契約、見守り契約というのもセットで結ぶことが多い。任意後見は本人の判断能力が不十分になってから任意後見受任者が家庭裁判所に後見監督人選任の申立を行うことで発動される。そうすると本人の判断能力が不十分になっているか任意後見受任者は日頃から接していなければなりませんので、事前に見守り契約を結ぶということになる。

また、急に判断能力が衰えるということはありえないので、判断能力は衰えていないけど任意で財産管理を行う任意財産管理契約を結ぶことがほとんどです。そして、これらの契約を結んでいると、判断能力が衰えてきても任意後見に移行しないでそのまま財産管理契約に基づき財産管理を行うということができることになる。

問題点としては、任意の財産管理期間中では、本人が財産管理を適切に行っているかチェックすればよいが、本人の判断能力が衰えてからでは財産管理をチェックすることが難しくなってくること。任意後見に移行すれば本人の代わりに後見監督人が後見人をチェックすることが可能だが、それを嫌がって本人の判断能力がおとろえてもそのまま任意財産管理を継続するという輩が出てくるのです。

さらに、後見人報酬の二重払いという問題もある。成年後見では、後見監督人は必ずしもつくということはないので後見人のみに報酬を払えばよいことになり、後見人の報酬は家庭裁判所が本人の財産、後見業務などを勘案して決定しますので、比較的安心できます。しかし、任意後見契約は後見人の報酬が高額に設定されるケースもありますし、後見監督人が必ずつきますので、後見監督人の報酬もふたんしなければなりません。このように任意後見制度はある程度お金がないとなりたたなくなる制度なのである。
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医療系介護サービス













又財務省が介護保険にチャチャを入れる。今度は訪問看護や訪問リハ、居宅療養管理指導などの医療系の在宅サービス費用が多すぎると言ってきた。その理由は介護全体の費用や要介護者の伸びを大きく上回っているからという。どこまでバカなのか?そんな理由で医療系介護サービスを制限しようとする。自分たちは時代に逆行するように家族に負担を押し付け在宅サービスで介護保険を減らそうと考え、今度は、その在宅サービスで医療系が増えたから無駄な金は使うなとくる。本当にバカにつける薬はないぐらい、どうしようもない。財務省関係者は全て介護保険を使わず、在宅で近親者の介護をやってはどうか。
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財務省、訪問看護など医療系介護サービスの給付費増を問題視
介護のニュースサイト Joint2021.4.20  
介護保険の枠組みで提供される訪問看護や訪問リハ、居宅療養管理指導など医療系の在宅サービスの費用が、介護全体の費用や要介護者数の伸びを大きく上回って増加している − 。   

こう問題を提起したのは財務省だ。国の財政運営を議論する審議会の今月15日の会合で、厚生労働省に対して"適正化"を求めた。【鈴木啓純】  

財務省はこの日、2014年度から2018年度の費用の変化を厚労省による統計を用いて説明。介護保険では近年、医療系の在宅サービスの伸びが著しい傾向にあり、とりわけ軽度者のパーセンテージが大きいと指摘した。適切な頻度を超えた過剰なサービスが行われているのではないか、という考えがベースにある。
 こうしたサービスは原則、通院が困難な状態にある利用者などを対象にするルールとなっている(*)が、財務省は「実態としてそうなっているか把握する必要がある」と主張。厚労省に対応を促し、それを踏まえた見直しも要求した。来月にもまとめる政府への意見書(建議)に盛り込み、具体化を強く働きかけていく方針だ。
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成年後見人













成年後見人制度が出来て20年、その間に成年後見人の数は2019年において、成年後見制度を利用している人は約22万人に過ぎず、潜在的な後見ニーズ(判断能力が不十分とみられる人の総数:推計約1035万人)のわずか2%を満たしているに過ぎない。この20年間に1.6倍の伸びに留まる。しかし、市町村長申立ての件数は2000年に僅か23件であったものが2019年には約8000件と347倍に伸び、法定後見人に占める割合も22%まで拡大している。この数字が物語る意味は大きい。自分の財産や権利を第三者にできるだけ任せたくないと言う反面、それすらも判断できずに已む得ず市町村長に申立てて後見人を選定せざるを得ない状況、即ち、無縁社会が限りなく拡大していることを意味している。このままでは行政の負担は限りなく増大することになり、地方財政を圧迫することになる。
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市町村長申立ての利用状況  

法定後見の開始審判の申立てに占める市町村長申立の件数が、近年、大幅に増加しています。2000年にわずか23件(申立件数全体に占める割合は0.3%)だったものが、2019年には約8千件(同22%)にまで増加しています。  
その背景には、単身世帯や身寄りのない高齢者等の増加により、本人の世話をしたり、また必要な時に後見の申立てをすべき親族が見当たらないケースが増えていることなどがあるとみられます。  

今後も独居老人の増加などにより、市町村長申立てに対する需要は増えていくと見込まれます。しかし各自治体においては、財源や人員などの限界もあり、必ずしもすべての需要に対応できるとは限らないように思われます。
成年後見人利用者数市町村長申立て

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行政が民家を活用した高齢者施設に期待をしている。今回ご紹介の施設は南足柄市で民家を改造した小規模多機能型居宅介護施設を開設した社会福祉法人の事例であるが、地域には多くの経営資源が眠っている。新築だけの施設ではなく、空き家になっている民家やアパートの活用による高齢者の受入促進に期待がかかる。我々も空き家を活用した自立型高齢者シエアハウスの開発に着手する。
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潤生園介護施設に空き家活用地域再生モデルにも
タウンニュース2021.4.17
   南足柄市と小田原市で民家を活用した高齢者介護福祉サービスを展開する潤生園(社会福祉法人小田原福祉会・時田佳代子理事長)。増え続ける「空き家」の解消にも一役買っており、地域再生モデルとして注目されている。 

南足柄市にこのほど開所した小規模多機能型居宅介護施設「みんなの家いいざわ」は、2年ほど空き家になっていた築50年超えの民家を活用している。スプリンクラーや空調設備、廊下に手すりを取り付けるなどした以外は、ほぼそのままの状態なのが特徴だ。時田理事長は「家族が過ごした家や大切にしてきた家財等を残したい家主。一方で安心できる環境を必要とする利用者。それぞれの思いに応えるのがこの施設」とする。系列施設では初となる宿泊用の部屋も設けた。

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【本ブログについてのお問い合わせ】

一般社団法人ロングライフサポート協会

TEL:050-3786-4790

E-mail:info@ll-support.jp

【一般社団法人ロングライフサポート協会について】

当協会は身元引受と法人コンサルの両面から高齢者の生活を支援する企業です。

身元引受は身寄りの無い方がご入居する際のサポート、葬儀サポート、金銭管理から、独居の方の電話による見守り業務まで幅広くおこなっております。

コンサルとしては、長年にわたる経験から、時代を先取りした”未来”をお届けするものです。介護報酬の改定やいろいろなリスクを勘案し、行政申請から内部監査、予算の見直しまで含めた総合的なものスポット的なものを取り揃えております。
高齢者支援サービスでお困りの際はロングライフサポート協会までお問い合わせください。

サポート協会URL:http://lls.sakura.ne.jp/
身寄りドットコム:http://miyori-support.com/

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どこも医療崩壊は叫ぶが、介護崩壊はどこも取り上げない。我慢の限界を超えて緊張の糸が切れかかっている。心配なのは若いケアワーカーの緊張の糸が切れることである。最近、飲みに行ったという話を聞く機会が増えてきた。ワクチンの早期接種が望まれる。
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ケアワーカーの8割以上がストレスを感じている 続くコロナ禍に介護現場の悲痛と支援の動き
Yahoo!ニュース2021.4.19  
新型コロナの感染拡大が始まって1年以上が経過したものの、医療や福祉の現場では過酷な状況が続いている。当初は全国的にエッセンシャルワーカーに対する感謝や応援の動きがあったが、いまではあまり聞かなくなってしまった。中でも忘れられがちなのがケアワーカーと呼ばれる介護・福祉従事者だ。介護現場の声と支援の動きを取材した。  

ケアワーカーの8割以上がストレスを「1年以上前から⾃粛⽣活が続いており、家と職場とスーパーなどしか出かけておらず、感染のリスクを考えると軽はずみな⾏動もできないためストレスの解消が難しい。職場内で不要不急の外出や会⾷をしたという話を⽿にしてしまうと、僻みや妬みの感情が⽣まれてしまいさらにストレスを感じます」 (30代⼥性 介護職)  

「施設で利⽤者10⼈、職員4⼈が感染し、⾃分も陽性となってしまいました。約半数の利⽤者が⼊院できない中、職員の疲労も溜まり、さらに感染者が増加するのではないかと危惧しています」 (40代⼥性 介護職)  

ケアワーカーに対する意識調査によると(※)、8割以上が「コロナの感染拡大前よりも仕事に対して心理的ストレスを感じている」と回答している。その理由として挙げられるのが「プライベートの制限」や「自分が感染拡大させたり、感染しないか」という不安だ。また身体的にも、増え続ける業務などが原因で6割以上がコロナ前より疲労を感じている。
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