本日関東でサービス付高齢者向け住宅(サ高住)関連のセミナーに招かれ講演を行いました。エリアによって、サ高住が有利なエリアと、住宅型有料老人ホームが有利なエリアがあります。地方都市はどちらかというと余程大きな市町村でない限り、住宅型有料老人ホームが有利な気がします。

サ高住となると、どうしても1部屋当たりの面積や共有部分での面積確保が問題となり規模が大きくなる傾向があります。従って、それに応じて建築コストも上がります。その分を補助金でカバーしても、補助金なしの住宅型有料老人ホームと同等の投資となる点を考えますと、地主にとってはどちらでも良いのではないかと思うのです。

総投資額はかわらないと考えれば、後はいかに運営をしやすい方を選ぶかと言う問題になります。

本日のセミナーでの皆さんの反応や営業での反応をみてみますと、その点が判明すれば無理をしてでもサ高住を選ぶという選択肢はなさそうです。むしろ、補助金申請に時間を取られるだけ制度リスクが増大するということも考えられます。特に来年4月の介護保険改正の影響が出てくるのではないかと危惧されます。

又、サ高住は住所地特例が使えないことから、運営者にとっては他の市町村からの入居者を募集するのが困難になるために、入居リスクも高まります。

従って、大きな市町村でその市町村だけで十分に集客できるところでは、有料老人ホームの縛りのないサ高住がメリットがあるのではないかと思います。そうなるとどうしても都市型モデルということになりそうです。

しかし、サ高住も昨日のブログで書きましたように、設計段階から工夫をして、18㎡でも極力共有部分の面積をカットして全体の面積を抑えることができると、より効率的な運営ができそうです。

今後、サ高住といえども、住宅型有料老人ホーム並みの運営ができるモデルが登場するでしょう。住宅型有料老人ホームとサ高住の間に、中間型のサ高住も登場してくるのではないでしょうか。我々は知恵を絞らねばなりません。行政での施策だけに依存はできません。足りないところは民間の知恵でカバーするしかないのです。