(前回の続き)

昨日に続き、甲南大学藤田教授のお話を続けたいと思います。大変興味深い個所を下記に記しておきます。

自律性の高い多様な地域の育成のためにも道州制の実現が望まれる。経済協力開発機構(OECD)における1人当たり国内総生産(GDP)の上位10カ国は近年、小国が大半を占めることに注目しよう。1カ国平均の人口は約630万人で、東北6県の総人口(約930万人)より少ない。

固有の言語と文化、独自の産業集積と経済・社会・教育政策を持ち、多様性に富んだ知識創造社会を形成している。知識創造社会の一員として発展していくうえで、人口規模はあまり必要でないことがわかる。

国と地方の役割分担お大きく見直して、自律性と多様性に富んだ道州制による地方分権システムを構築し、地域間の競争と連携を促進すれば、日本は知識創造社会として活性化できるであろう。

東北全体を多様性に富んだ全員参加のイノベーションの場として発展させていくことが必要である。例えば、再生可能エネルギーの総合的な技術発展と社会モデルの構築に大きな役割を果たすことが期待される。」

私は、それに高齢社会のインフラ整備を含めた、医療と介護の特区を是非作り上げてもらいたいと思います。産業も、医療も、介護も実は従来の行政枠を超えた新しい仕組みが求められているのです。

道州制をもとにもう一度地域づくりを再構築する必要があります。廃藩置県から東京を中心とした中央集権国家が新しい近代の日本を作り上げたなら、今度は道州制によって新しい知識創造社会を構築する、そんな時代に来ているのではないでしょうか。従来の枠組みを一度外さねば新しいものは生まれません。