先日、異業種からデイサービスに次々と参入しているという記事がのっていました。異業種の中小企業が相次いで参入しているというものです。有料老人ホームなどの介護施設に比べて初期投資が少なくて済み、人員配置の基準も緩いためだとしています。保育所や学習塾など本業で培ったノウハウを、市場拡大が続くデイサービスでも活用することで独自色を出して、大手に対抗しようとしているようです。

厚生労働省によると、2011年度に介護サービス市場は約8.3兆円に達する見通し。介護保険制度が始まった00年度の2.3倍に相当する。サービス内容は老人ホームや訪問介護など多岐にわたるが、自宅暮らしの高齢者向けでは、デイサービスの伸び率が高い。訪問介護の09年度の市場規模は06年度比2.6%増にとどまったのに対し、デイサービスは33%増となっています。

市場拡大の要因の一つが中小企業の参入です。老人ホームは建設費などで開設までに数億円かかりますが、デイサービスは民家や空きテナントを改修すれば、初期投資は1000万円程度で済むといわれます。1軒、1軒訪ねて介助する訪問介護に比べて、1ヵ所でまとめてサービスを提供するので収益率も高いのがその要因です。

サービス内容や開設までのプロセスを標準化することで出店コストや運営費を抑制し、フランチャイズ(FC)展開する大手事業者もでてきました。新規参入組はこうした事業者とFC契約を結ぶ場合が多いようです。

しかし、供給過多になった都市部では利用者が集まらず、参入したものの閉鎖するケースも出始めているといわれ、このため独自のサービスを用意し、利用者を増やそうとする動きが広がっています。お泊りデイもその一つでしょう。新しいサービスを組み入れた競争が激化してくることが予想されます