介護大手が4月からの介護報酬改定に併せてサービス時間の延長と人員の増強をおこなってきています。当然といえば当然のことなのですが、それで抜本的な解決になるのでしょうか?

報酬の減額改定については、『通常規模型以上事業所の基本報酬について、看護業務と機能訓練業務の実態を踏まえて適正化を行う。また、小規模型事業所の基本報酬について、通常規模型事業所との管理的経費の実態を踏まえて適正化を行う。サービス提供時間の実態を踏まえるとともに、家族介護者への支援(レスパイト)を促進する観点から、サービス提供の時間区分を見直すとともに12時間までの延長加算を認め、長時間のサービス提供をより評価する仕組みとする』とありますが、誰も、適正化について議論はないようですね。

「管理費経費の実態を踏まえて適正化」といわれますが、収益と経費の両面から減額が妥当であるという根拠を頂いたことはありません。なぜ? 根拠も示さずにいきなり減額ですか。

この根本的な問題点が解決されないかぎり、適正化という名目で介護保険を減額すれば、現場は時間延長でカバーをしようとする「イタチごっこ」が続くことでしょう。

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介護大手、デイサービス時間延長急ぐ 4月の報酬改定機に

2012/3/31 0:01 情報元 日本経済新聞

4月1日の介護報酬改定を機に介護各社がデイサービスの時間延長や人員確保を急いでいる。

■やまねメディカルは午後4時までだったプログラムを5時まで1時間延長。介護ヘルパーを1割増の670人にする。

■デイサービス大手のツクイはサービスを提供する約350施設が個別に時間延長するのに合わせ、高齢者の送り迎えをする専任スタッフを350人増の約900人に増やした。

■ツクイは従来、介護ヘルパーが送迎を兼務していたが時間延長で人手不足になるため専任スタッフを置く。


デイサービスの一般的な利用時間は1日6時間半程度だが、4月に適用される介護報酬では対象となるサービス時間の区分が変わり報酬単価が下がる見通し。従来並みの報酬単価を確保できるように7時間以上に伸ばす企業が多い。