今月に入って特に感じることですが、爆発的に高齢者住宅の建築が始まっているように感じます。昨年の住まい法の改正で、サービス付高齢者向け住宅の取り組みが始まった為です。昨年はまだ、登録の段階でしたが、今年になって昨年の開発登録をしたサービス付高齢者向け住宅が一気に立ち上がり始めているようです。

それに加えて、住宅型有料老人ホームも次々と立ち上がってきています。特に、西の開発状況は凄まじいものがあります。介護事業者、医療法人、新規参入の企業等が入り乱れて、この分野に入ってきております。

以前は次の様な一定の棲み分けがありました。

①訪問介護や通所サービスといった在宅系のサービスと有料老人ホームやグループホームといった施設系のサービス
②特別養護老人ホーム、老健施設、療養病床といった社会福祉法人や医療法人が取り組む低価格型の施設と民間参入の中間所得者以上の人を対象とした有料老人ホーム

ところが、今や、

①医療法人が有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅を手掛けるケースが増加、更に低価格の医療型高齢者住宅にて市場を席巻し始める
②訪問介護や通所サービス併設の高齢者住宅の急増
③10万円を切る低価格型高齢者住宅の登場
④介護1までの自立~虚弱までの高齢者を受け入れる自立型高齢者住宅と重度介護までを受け入れる介護型高齢者住宅の登場
⑤加えて、指導指針や行政の指導基準を逸脱した高齢者住宅も出て来始めています。

その種類や価格、規模、対象者は様々で市場がセグメント化され様々な商品群が爆発的に増えているのです。

それに対して行政の指導は完全に後手に回っております。先日もある県で、住宅型有料老人ホームで1部屋13㎡以下の施設があることに疑問を思い、行政に確認をしました。

通常我々が住宅型有料老人ホームを作る際には、建築上の基準が指導指針と合致するかどうかを事前に図面をチェックをして頂き、その上で、本来登録制であるはずの住宅型有料老人ホームなのに、膨大な資料をつけて事前申請の依頼を出し、そしてそれが通れば次は本審査、全てが通って受理と、日に日に手続きに煩雑さと時間を要し、開発が遅れることに頭を悩まされています。

おまけに、行政によっては住宅型有料は自立の人しか受け入れてはいけないというで、全く意味がわからないところもありますが、指導指針で定められているという一言でなかなか受け入れて頂けません。

ところが、先の13㎡以下の有料老人ホームの申請は受理しているといいます。何故? 行政に尋ねると、指導指針は指針であって、強制力は無いと言われる。これには唖然としてしまいました。指導指針てそんなものだったのですかと言いたくなります。尋ねられれば「県の基準は満たしていない」と、そう答えますという程度なのです。

我々は勿論、指針に違反した施設は作るつもりもありませんが、得た結論は、行政の対応能力を実態が超えてしまっているのではないかという疑問です。

そうなると、今後、指針を度外視した高齢者住宅の商品群が出てきて市場がかく乱されるといった状況になりはしないかと心配をしています。一定のルールの上で、競争がなされてこそ、質の高いサービスが可能になるのではないでしょうか。行政も現実を直視し、業界の動きに後れを取らないように、品質向上の為のルール作りをして頂く必要があります。