「データで見る医療(9) 在宅医療」と題してキャリアブレインより下記の報告がなされています。在宅診療についは数は増えているものの、中身の充実はまだ本格的にはこれからでしょう。
訪問看護についてはニーズはあるものの、看護師の不足により思うように供給できていない状況が報告されています。
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今回は在宅医療の状況を見てみたい。在宅療養支援診療所や在宅療養支援病院の拡大傾向が見られるほか、訪問看護の利用者が拡大する一方で、事業所数は微増にとどまっている。

■在支診と在支病の拡大

在宅療養支援診療所(在支診)は、近年届け出数を伸ばしている。
在宅療養支援病院(在支病)は2010年に一気に伸長したが、10年度の診療報酬改定で、施設要件が緩和され、許可病床数が200床未満の病院が対象になったためと考えられる。
12年度の診療報酬改定では、在支診と在支病の「強化型」が設けられたことで、さらに届け出は増えそうだ。

■訪問看護ステーション
訪問看護ステーション数は微増し、医療機関の訪問看護数は減少している。
ただ、訪問看護利用者数は、介護保険と医療保険ともに増加している。
介護保険の給付は医療保険に優先されるが、末期の悪性腫瘍、難病、急性増悪などによる主治医の指示があった場合などに限り、医療保険の給付から訪問看護が行われる。
医療保険の訪問看護では、神経系の疾患をはじめ、精神および行動の障害、新生物において利用者数の上昇が見られる。

■医療の提供状況
「医療施設・介護施設の利用者に関する横断調査」では、医療療養・介護療養病棟、介護老人保健施設(老健)、介護老人福祉施設(特養)と併せて、在宅での医療の提供状況が示されている。
介護施設と比べて提供の割合は低いものの、在宅では「経鼻経管・胃ろう」をはじめ、「喀痰吸引」「酸素療法」「気管切開・気管内挿管」など、幅広い医療が提供されている。【大戸豊】