機能強化型在支診・在支病について注目が集まっています。在宅療養支援診療は平成18年に制度化され在宅診療において手厚い診療報酬がつくようになりました。平成22年には全国で1万2500ヵ所まで増えたものの、年に1人以上を看取る在支診は半数に止まるといわれています。

先生が1人のクリニックや診療所ではどうしても、手が回らずに我々の施設でも思うように対応ができていない所があります。今年から下記の機能強化型の在支診の制度ができました。是非、今後について期待をしたいと思いますし、そのような医療機関との連携を深めていきたいと思います。

機能を強化した在支診・在支病の施設基準は以下の通りです。

1 従前の在支診・在支病の要件に以下を追加する。
 イ 所属する常勤医師3名以上
 ロ 過去1年間の緊急の往診実績5件以上
 ハ 過去1年間の看取り実績2件以上

2 複数の医療機関が連携して1の要件を満たすことも可とするが、連携する場合は、以下の要件を満たすこと。 イ 患者からの緊急時の連絡先の一元化を行う
 ロ 患者の診療情報の共有を図るため、連携医療機関間で月1回以上の定期的なカンファレンスを実施
 ハ 連携する医療機関数は10未満
 ニ 病院が連携に入る場合は200床未満の病院に限る

在宅医療の普及には24時間体制といつでも訪問できる体制が不可欠と考え、在宅療養支援診療所制度における24時間対応機能を強化させる目的で機能強化型在支診(在支病)を設定しています。

複数医師体制の地域の在宅医療の核となる在支診(在支病)の評価を上げ、更に在宅療養支援診療所同士もしくは在宅療養支援診療所でない医療機関との連携でも24時間対応を強化すれば、機能強化型在支診(在支病)と同等の評価が得られるように設定されています。

今後複数医師体制を目指していく医療機関や地域での連携のネットワークでの24時間対応の様々な連携方法が模索されていくと思われます。

機能強化型在支診(在支病)の施設基準には過去1年間の看取り実績2件以上と明記されています。これは、従前の在宅療養支援診療所の50%以上が看取り実績ゼロというデータの基に、看取り数を在支診(在支病)のアウトカムとして重視しようという考えのようです。