「親のスネ」があるから
働けない 若者の危機 第2部 既得権の壁(5) 2012/9/21 情報元 日本経済新聞

先日からフィリピンで日本で働きたい若者の姿をみてきただけに、日本に帰って来てのこの記事に大変違和感を覚えます。主な内容を整理してみたいと思います。

豊かさの代償なのか、このままでは日本の若者の仕事はいつまでたっても仕事にありつけないでしょう。待っていてはいつまでたっても、自分が求める仕事はやってこないのです。自分から仕事を取りに行くハングリーさがなければ、外国人に仕事は奪われていくでしょう。

■「若者の就職難に責任があるのはだれだと思いますか」。7月の連載第1部で取材班は日経電子版の読者に問いかけた。
半数近くが「政府」と答え、雇用問題への無策ぶりを批判したが、若者自身に責任を求める回答も2割近くあった。「働く場のえり好みをしている」(40代女性)、「豊かになり働く意欲に欠  ける」(60代男性)など指摘は手厳しい。

■乏しい危機感
正社員の座という既得権を持つ年長者の陰で、安定した職を見つけるのに苦労する若い世代。だが、積極的に仕事を探そうとしない若者も多い。彼らに危機感がないのは既得権を持つ親に養ってもらえるからという皮肉な構図がある。

次代の日本社会を担う20~34歳は約2000万人。内5割近くが未婚で、かつ親と同居している。1980年の3割以下から急増した。

■彼らの完全失業率は世代平均を約3ポイント上回る10%強。就職や進学の準備もしない「ニート」も多く、「パラサイト(寄生)シングル」と呼ばれる。

■年老いた親と自立の遅い子供を抱える『サンドイッチ世代』の中高年の方が生活の苦しさを訴える人が多い、という。

■外国人との競争
従来は外国人との競争がほとんどなかった。理由の一つが日本語という参入障壁。だが時代は変わりつつある。グローバル化で言語の壁は低くなり、企業は人材育成の負担を避ける為に外国人などの採用を増やす。

■頼みの親もいつまで元気でいるかはわからない。特権を失えば、若者の危機はさらに深刻さを増すだろう。

■彼らをサポートする政策や教育現場の改善も欠かせない。若者の危機の克服は全ての世代、関係者の総力戦になる。