前回に引き続き、今後の取り組みの方向について掲載しておきます。地域包括ケアシステムの構築は変わりません。特に気になりますは、介護サービス提供体制の充実という部分です

今後、単身・夫婦のみ世帯の増加、都市部での急速な高齢化が予測されるとしています。2025年には、世帯主が65歳以上の世帯のうち、単身・夫婦のみ世帯は2/3以上としています。そして都市圏では今後15年間に高齢者人口が30%程度増加すると述べられています。

それに対して、高齢者のインフラ整備についての記載が余りに少ないように思うのです。

今後の方向性として、地域包括システムの中で、在宅サービス・居宅系サービス等の供給体制の充実として、24時間対応の訪問サービスや、サービス付高齢者向け住宅の制度化等を謳っているのですが、従来の枠を超えるものではありません。

どうして、日本ではインフラ整備についての認識が足りないのでしょうか? 単身・夫婦世帯が増加するということは、従来の家族介護を前提とした介護であり、それが困難になりつつあるから地域で面倒をみましょう、だから包括ケア? これでは誰がその介護の主体となるのでしょうか? 地域包括ケアの最大の問題は誰がその核となるのかの議論が不足していることです。

ハードとソフトが介護度別に一体的に整備をされて、始めて安心して暮らせる環境ができるにも拘わらず、自立から介護に至るハード面の整備についてあまりに議論が不足しているように思います。地域包括ケアという言葉だけでは具体性に欠けます。それゆえに無駄な給付がはびこることになるのではと心配しています。ハードとソフトの一体的な取り組みが求められます。
社会保障と税の一体改革データ④
社会保障と税の一体改革データ⑤