4月25日の日経新聞に見出しの記事が2回にわたって掲載されました。レポートされたのは、中央大学教授の阿部正浩氏。生産年齢人口が減少する中、3つの処方箋を提案されています。女性が多い介護業界だけに、女性の活用は企業の存続にかかわる重要なテーマです。研究を重ねて参りたいと思います。今回のレポートはマクロ的な視点で参考にさせて頂きます。

処方箋1:女性と高齢者という埋蔵労働力を掘り起し、活用していくこと。

処方箋2:非正規雇用者の能力開発。

処方箋3:、労働者個人による能力開発を社会が援助すべくシステム整備をおこなうこと


1.女性労働率を引き上げる方法は次の2つ。
①企業がワーク・バランス(仕事と生活の調和)に配慮して積極的に雇用機会を拡大させることや、保育所など社会のバックアップ体制の拡充をおこなうこと。
②併せて、税や社会保障制度、そして給与制度などの改革を行う事。所得税の配偶者控除や社会保険の第3号被保険者(会社員などに扶養される専業主婦)制度の見直し。

2.雇用者に占める非正規雇用者の比率は、男性の15%に対して女性は約53%にもなる。それゆえ、女性雇用が今後拡大すれば、非正規雇用で働く人が増加するかもしれない。そのとき問題となるのは、その労働生産性だ。

非正規雇用で働く人たちの仕事は定型的で労働集約的な仕事が典型であり、一般的には生産性は低いだろう。そのため、女性を活用することで労働者全体の非正規雇用の比率が高まれば、結果として経済全体の生産性を低下させなねない。

生産性を高めるための能力開発の現状をみると、非正規雇用者の職場内訓練(OJT)はそこそこ行われているようだが、研修など職場外の訓練(OFF-JT)は正規雇用者と比べ見劣りしている。研究者によれば、生産性を引き上げるのはOJTではなく、OFF-JTであるという。しかし、非正規雇用者の能力開発を拡充するにしても、経費面から企業にだけ頼るのは難しい。

3.労働市場の機能強化である。具体的には労働者の能力を評価する機能と、それを元に求人と求職をマッチングする機能だ。能力評価機能が労働市場に整備されて市場価値がわかるようになれば、労働者は職業経験を伸ばすべく能力開発に取り組むのではないか。自分に不足する能力は何か、その能力を磨けば就職できるのか、そして賃金はいくらになるかということがわかれば、個人も能力開発に積極的に取り組むようになるであろう。