三重県の脳神経外科医師笠間 睦 (かさま・あつし)先生が朝日新聞医療サイトに見出しの記事をのせておられます(2013年7月27日)。

2025年問題を控えて、色々な識者から在宅医療との連携のとれたサービス付高齢者向け住宅や有料老人ホームの整備に期待が寄せられています。果たして高齢者住宅は、無縁死47万人受け皿居なることができるでしょうか? チャレンジをして参りたいと思います。
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■東京ふれあい医療生協梶原診療所在宅サポートセンター長の平原佐斗司(ひらはらさとし)医師は、将来訪れる日本の多死社会を乗り切るためには、在宅医療の普及が鍵を握っていると指摘しています。

「21世紀前半の日本は多死社会を迎える。70歳以上の高齢者で、亡くなる直前まで自立している人は16.9%しかいないという。人は期間の長短はあっても、ケアの必要な時期を経て死に至る。つまり、多死社会はケアの必要な人が爆発的に増える社会ということだ。…(中略)…日本人は21世紀前半に多くの人の死を経験することになる。一方で、2030年には年間47万人の人が最期の時間を過ごす場がないと推定されており、無縁死の問題がにわかに現実味を帯びてきた。地域で最期の時間を支える在宅医療の普及なしには、この危機は回避できそうにない。」(平原佐斗司:超高齢社会の意味. 2012年8月18日付日本医事新報No.4608 3 2012)

■日本福祉大の二木立教授は、今後急増する死亡の受け皿としては、サービス付き高齢者住宅(サ高住)や有料老人ホームに期待が寄せられている指摘しております(二木 立:今後の死亡急増で「死亡場所」はどう変わるか? 2012年12月22日付日本医事新報No.4626 26-27 2012)。二木立教授の指摘を以下にご紹介します(一部改変)。

「厚生労働省『死亡場所別、死亡者数の年次推移と将来推計』では、2030年には、医療機関、介護施設、自宅での死亡を除いた『その他』が約47万人に達するとしています。何ごとにも慎重な厚労省が、上述した大胆な推計を発表した狙いが、『その他』死亡の受け皿として、サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームの整備を促進することにあることは明らかです。」

そして、病院に対してはさらなる平均在院日数の短縮化が求められることになりそうです。

■団塊の世代が一斉に後期高齢者となる2025年には、世界でも類をみない高齢社会が到来すると考えられており、2025年社会保障改革シナリオ「社会保障と税の一体改革案」においては、「現在、一般病床の平均在院日数は19~20日であるが、これを2025年には一般急性期病床を9日程度までに短縮し、回復期リハビリは60日程度を目指す」(岡林清司:2025年問題を見据えた連携を. 2013年5月18日付日本医事新報No.4647 3)ことが目標とされております。