週刊ダイヤモンド~ワタミを脅かすライバル続々、高齢者向け宅配食市場の白熱(マイナビニュース12月24日)

高齢者向け宅配食市場に変化が訪れています。週刊ダイヤモンドにその内容が掲載されています。 
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飛ぶ鳥を落す勢いで成長してきたワタミの高齢者向け宅配食事業「ワタミの宅食」が伸び悩んでいます。2014年3月期の当初計画は、41万食(前期比46%増)で売上高544億円(同40%増)と高い伸びを見込んでいましたが、足元の苦戦を受けて、それぞれ35万食、456億円へと大幅に下方修正しました。高齢化の進展で有望なはずの市場に何が起こっているのでしょうか。

■ワタミが宅配食事業の本格展開を始めたのは2010年のこと。高齢者向け宅配食はそれまで、地場の弁当屋などが手掛ける中小零細ビジネスでしたが、ワタミは大手の資本を持ち込み、介護関連の助成金なしで民間でも成立するビジネスモデルをつくり上げました。現在では全国に522の販売店を展開。同市場において、“独り勝ち”状態となっています。

にもかかわらず、ここに来て踊り場を迎えている理由は二つあります。まずは、ワタミが開拓したこの市場に、新しいプレーヤーが続々と登場していること。例えば、宅配ずし「銀のさら」を展開するライドオン・エクスプレスは、2012年に高齢者向けの日替わり弁当「銀のお弁当」を一部地域でスタート。ファミリーマートなどのコンビニエンスストアもこの市場を狙っています。

もう一つの理由は、利用者側の意識の変化。「かつては弁当を取るなんて手抜きという意識があったが、便利なものはどんどん利用すればいいという時代に変わってきた(ワタミタクショクの吉田光宏社長)」といいます。これはすなわち、選択肢が増えたことで、ワタミが選ばれるのが難しくなってきていることを意味します。

■とはいえ、ワタミも徹底抗戦の構えです。2020年に100万食という大目標を継続。団塊世代が75歳前後になる10年後こそ、爆発的な市場拡大が待っていると踏んでいます。しかしながら、ある中堅宅配食事業者には、介護や外食関連の大手企業からM&Aや提携の話がひっきりなしに持ち込まれているとの話も聞こえてきます。大手資本の参入が相次げば、ワタミの地位も磐石ではないと、ダイヤモンド誌では指摘しています。