11月20日に医療効率化への課題として、表記のテーマが掲げられていました。一橋大の荒井 耕 教授の論文です。高齢者住宅事業においても参考になるところが多々ありますので、内容を整理しておきたいと思います。介護の現場にいかに経営管理の手法を持ち込むかについて示唆を与えるものです。
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■医療職は一般に医療の「質」には関心を持っていることが多いが、効率(採算)には無関心であることも多いため、質に加えて効率面にも注意を向けてもらうことが必要。

■産業界全般では、こうした部門損益業績管理はごく普通に用いられている管理会計の仕組みであるが、これまでの医療界では必ずしも一般的ではない。

■筆者らの調査によれば、経営管理に関心の高い病院群においても、そもそも部門(診療科など)別損益を把握している病院は半数に満たない。又、その損益情報を部門長(診療科長などの現場医療管理職)の業績評価に利用している病院は少ない。

■筆者らの研究によれば、部門損益業績管理を実践している病院は、実践していない病院よりも医業利益率が高い傾向が明らかになっている。

■部門損益業績管理はまず病棟や機器の稼働率・回転率の向上を部門長に促し、病院の採算確保に貢献している。

■病院は人件費を含む固定費の割合が高いため、稼働率・回転率の向上は採算性を大きく改善する。

■採算に影響を与える要因は多様であるものの、筆者の研究によれば、特に病床利用率の向上は採算の改善に貢献していることがうかがわれた。

■病床利用率の向上の為の具体策としては、地域の診療所などへの積極的な働き掛けによる紹介患者数の増加(地域連携の強化)や救急患者を積極的に受け入れる体制の構築などが挙げられる。

<次回に続く>