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・介護人材の供給をどう増やすか。「考え込んでいても時間を浪費するだけだ」。介護人材の派遣を手掛ける「かい援隊本部」(東京・品川)会長の新川氏はこう語る。
2年前に事業を始めて以来、介護の現場に送り込んできたのは、累計で200人に及ぶ平均69歳のシニア世代だ。

・派遣先での仕事は脇役だ。食事を選んだり掃除をしたりする仕事が多い。派遣する人の収入は週3日働いて月8万~9万円。それでも年金暮らしのシニア世代が「小遣い稼ぎに働きたい」と応援してくる。

・気が利く脇役がいることで重労働の介護福祉士の負担が減り、介護人材の不足も補いやすくなる。だわ総研経済調査部の近藤シニアエコノミストは「零細事業者がほとんどの介護の世界では分業や大規模化が遅れており、生産性を引き上げる余地が大きい」と指摘する。

・世界最高で高齢化が進む日本。課題先進国の重圧が、経済の現場で知恵や工夫を生む。政府の政策は追いついているだろうか。

・介護人材の供給不足が避けられないなら、介護需要そのものを減らす発想も必要となる。日本と同じように人口減と介護重要増に直面するドイツ。介護が必要な人の自立を促す「ロボットスーツ」を昨年、公的保険の対象に加えた。日本では需要を減らす介護予防の視点が乏しい。保険給付の対象に加える議論もドイツと比べ遅れている。眠れる資源はまだある。

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