<前回に続く>

■労働力が減ってきたにもかかわらず、現実には労働力不足は発生せず、逆に、雇用情勢の悪化を懸念する状態が続いてきた。これは、労働力の供給も減ったが、経済実態面で労働力の需要がもっと減ったからである。

■表面化しなかったが、潜在的な労働不足要因は常に底流にある。労働力の「天井」はどんどん低くなっていたわけだ。

■景気が好転して労働需要が拡大し始めると、日本経済はたちまち、労働力の「天井」にぶつかってしまった。

これが突然やってきたのが労働力不足の理由である。

■今後、生産年齢人口の減少が続くことは確実だ。ある程度、高齢者や女性の労働参加率を高めたとしても、労働力人口は趨勢(すうせい)として減りつづけることもまた確実である。

■政府は長期的な観点から、女性や高齢者の労働参加率が高まるような環境を整え、外国人労働力の選択的流入を促していく必要がある。

■また、企業は、労働環境を整備して人材を確保して行かないと、国内では生き残れなくなるだろう。

 2014年は日本経済が「大・労働力不足時代」に入った年として長く記憶されることになるだろう。