2014衆院選:とっとりの現場から/3 高齢者介護 サービス低下、不安広がる /鳥取
毎日新聞 2014年11月29日 地方版

地方都市から来年の介護保険制度改正にむけて不安が広がっています。
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◇消費増税しても「悪くなる一方」

■「要支援が国の制度から切り捨てられる。住んでいる地域の介護が今後どうなるのか、とても不安」。

■10月上旬、介護保険制度を巡り利用者や家族などが参加した鳥取市内での勉強会で、高齢女性の一人が嘆いた。今年6月の法改正で、来年4月から一部サービスを市町村事業に移管するなど、介護保険制度が大きく変わる。民主党は来月2日公示の衆院選をにらんだマニフェストで「サービスの低下」「介護離職が増えるおそれがある」などと批判を強め、県内でも施設関係者や自治体に不安が広がる。

■介護保険では介護の必要性が軽い順に「要支援1、2」「要介護1〜5」の7段階の区分があり、この要介護度を基に利用額の上限などを定める。自公政権は今年6月に「地域医療・介護確保法」を制定し、「要支援1、2」の対象の通所介護(デイサービス)と訪問介護(ホームヘルパー)を来年4月から3年間かけて市町村事業に移すことになった。

■これまで全国一律だった価格とサービスは、国が示す上限の範囲内で市町村が独自に決定。事業所への報酬の単価も決めることになる。自治体の財政状況などにより価格やサービスに格差が生じる恐れをはらんでいる。

■「給付額が減る可能性がある今回の変更は大きな痛手」と話すのは鳥取市でデイサービス施設を運営する男性(61)だ。この施設では約4割の利用者が「要支援1、2」という。県内の「要支援1、2」認定者は計8380人(12年度)で、要介護度認定者の26%を占める。「小さい事業所は減収の影響をもろに受ける。立ちゆかなくなるところも出るだろう」

■移管先となる自治体の戸惑いも大きい。鳥取市高齢社会課は移管について「詳細はまだ白紙」と、準備不足を口にする。国はコストを抑える切り札としてボランティアの活用を想定しているが、「市内に介護のボランティア団体は無いと思うので、何とも言えない」