高齢化進む東京で介護事業縮小-職員不足に報酬減額が拍車 (ブルームバーグ)

介護事業の縮小傾向が進んでいるのではないかと危惧しています。下記の記事が掲載されていました。実感します。
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人口高齢化が一段と進んでいる首都・東京。介護施設に入居したいという老人が数多く待機しているにもかかわらず、一部の介護サービス提供事業者は業務を縮小している。

足立区では4000人が介護施設への入居を待っているが、ベット数100で昨年オープンした特別養護老人ホームでは空室率が30%に上る。何が問題なのか。介護士不足の深刻化と介護報酬が引き下げられることが背景だ。

全人口の4分の1が65歳以上の日本にとって、介護施設の必要性は一段と高まっている。高齢者が最も大きく増えようとしているのが東京だ。東京都社会福祉協議会の田中雅英総務委員長は「都市部ほど核家族、共働き、一人暮らしが多く、介護力がないので、施設サービスが受けられないと自宅介護にしわ寄せがいく。介護退職や、高齢者虐待、ネグレクトの増加につながる可能性がある」と指摘する。

20年に及ぶデフレと闘う安倍晋三政権は民間企業に賃上げを促す一方で、公的な介護報酬の圧縮を図っている。巨額の債務を抱える日本では労働人口が減り、公的介護制度を支える納税者が少なくなるためだ。

こうした状況の中での介護報酬引き下げについて、キヤノングローバル戦略研究所の松山幸弘研究主幹は、「経営能力のない中小の特養がギブアップし、合併するようなことにもなるだろう。それはサービスの効率化につながり、プラスであるし、職員の給与を上げようと思えば上げる余裕が出てくる。また職員からしても、給与経営が安定し、キャリアアップのイメージができてくる」との見方を示す。

東京都社会福祉協議会が昨年12月に実施した調査によれば、公的な財務支援を受けている都内の老人ホームのほぼ半数で職員が不足。305施設のうち9%が高齢者のための行事を取りやめたり縮小した。9施設が新規受け入れを停止し、2施設が短期受け入れを中止している。

常設ベット60、短期滞在用ベット4の特別養護老人ホーム「文京大塚みどりの郷」は昨年9月、新規入居者の受け入れを中止、短期受け入れも同年11月にやめた。2013年末に数人の職員が辞めた後、残った職員の負担が増え、さらに10人ほどが退職した。奈良高志施設長は「これからますます介護が必要な高齢者が増加するのにどうして事業を縮小しなければいけないのかという思いがある。非常に複雑だ」と語った。