平成27年度介護保険制度改正とこれからの高齢者の住まい (読売オンライン 2月19日)

読売新聞の記事に2030年問題が取り上げられています。どこで死を迎えるか、中長期の高齢者の住まいのあり方を考えさせられます。
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介護保険制度改正が4月に迫る中、高齢期の生活設計をあらためて見直すことが必要です。これからの社会の変化を見据え、どのような暮らし方をするか、しっかり考えましょう。
4月に介護保険制度が改正されますが、過去何度か検討されては実施に至らなかった厳しい内容となります。今回の改正の一例をまとめてみました。

 一定以上の所得のある高齢者や資産の多い高齢者は、介護保険サービス利用時の負担が増えます。特養ホームへの入所は今でも簡単ではありませんが、入所要件が更に厳格化されます。特養ホームは廉価であることが魅力でしたが、費用的な負担も上がり、一部の民間介護施設との価格差が縮まるでしょう。

 また、軽度の「要支援1・2」の一部サービスは、地域支援総合事業に移行するため、今後は居住する地域でサービスや費用の内容が異なる可能性があります。

 今後さらに増加する高齢者人口や財源不足を考えると、これからも厳しさが増していくものと思われます。

 高齢期の生活設計をするにあたって、今回の介護保険改正は少なからず影響を及ぼしそうです。

5年先、10年先を考えた暮らし方

 10年後、いわゆる団塊世代が後期高齢者になり、要介護人口が大幅に増えると予測されています。またそれにともない、75歳以上の世帯が65歳~74歳の世帯より多くなり、さらに独居高齢者の増加も見込まれています。このほかに懸念されることは、介護を担う人材が十分に確保できるかどうかという点です。介護の需要に供給が追い付かない場合、生活の質の低下も否めません。

 また生活の質だけでなく、今の住まいの周辺環境も、今後変化していくところが多いでしょう。空き家問題も深刻化しており、高齢者世帯が抱える不安と切り離せません。5年先、10年先に今の住環境はどうなっているか、その時に自分自身や家族の心身が衰えている場合、安心して暮らせる状態かどうか、想像力を働かせて考えてみてください。

最期をどこでどう迎えるか?

 団塊世代が後期高齢期に入る「2025年問題」のあとには、年間死亡数が大きく増える「2030年問題」もあります。2012年に約120万人だった年間死亡数は、2030年には160万人を超えると予測され、誰もが病院で最期を迎えることが難しくなります。

すでに国の方針では、在宅での看取りを推進する方向性も示されています。高齢期、介護と医療は切り離せない問題ですが、長期入院や公的施設への入所が簡単には見込めない中、設備とともにマンパワーも考えて住環境を選ぶことが非常に重要です。
 介護と医療のこれからをふまえ、今の住宅に手を入れるのか、高齢者に適した住まいへの住み替えを検討するのかは、元気なうちにしっかりと考えておきたいものです。