介護業界の採用難深刻 「売り手市場」就活学生敬遠(東京新聞2015年3月8日)

見出しの記事が新聞に掲載されていました。就活学生が介護業界を敬遠しています。介護の業態そのものを変える努力をせねばなりません。
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 大学三年生らの就職活動が本格化する中、介護業界が深刻な採用難に直面している。もともと低賃金や重労働の印象が強い上、学生優位の「売り手市場」や就活日程の変更も追い打ちをかけた。高齢化に伴い職員を大量に増やす必要があるが、新卒採用が低迷すると、事業の中核を担う人材が不足し、需要拡大に対応できない恐れもある。


 「介護は力仕事で、高齢者をみとるのもつらい。保育関連の仕事に就きたい」。介護福祉士の資格取得コースで学ぶ大学三年の女子学生(21)は五日、東京都内の就職セミナーで語った。

 厚生労働省によると、二〇一三年度の介護職員数は約百七十一万人。年々増加しているが、要介護者数も増えており、人手不足が慢性化している。

 しかし介護業界は賃金水準が他業種に比べて低い上、排せつ介助や深夜勤務も敬遠されがちだ。他業界が採用数を増やす中「介護系の学生でも希望者は非常に少なく、商社や製造業に流れてしまう」(都内の介護事業者)との声も漏れる。


 また一六年三月卒業予定の大学生は、一五年三月卒業まで十二月だった就活の開始時期が三月に変わり、活動期間が短縮された。説明会や面接が重なりそうで、リクルートキャリア就職みらい研究所の岡崎仁美所長は「人気業種に学生が集中し『二極化』が加速する」と指摘する。


 通所介護(デイサービス)などを展開するユニマットそよ風(東京)は年間二十施設の新設を目指すが、人手不足の影響もあり、一四年度は十八施設にとどまる見通し。介護大手ベネッセスタイルケア(東京)は、施設で働く若手職員約二十人をリクルーターに選び、就職説明会などで体験談を語るほか、学生の相談にも応じる。保坂享子常務執行役員は「現場の実態を伝えることで学生の不安を解消したい」としている。