<前回に続く>

2. 日本のノウハウの優位性

 ターゲットが決まれば、日本企業のノウハウを注入していくことが重要である。介護ビジネスといっても非常に範囲が広いが、例えば下記のことは一つの日本企業の優位性ノウハウ一つになるかも知れません。

介護施設の「絵画」

 これは、日本の多くの介護施設には飾られています。施設に入っても、生きがいを持って過ごして頂くための工夫である。一方で中国の多くの施設では、病院のように白い壁になっているところがほとんどである。

 また、絵が飾られる高さにも工夫があり、寝たきりが多い施設では、その高さが、入居者様が寝た際に見える高さにしている(地面から1-2mの高さ)。決して家族が通って「綺麗」と見える高さ(地面から2-3m)にしない。これは高齢者の入居者様の視点にならないと気付かないものである。

バリアフリーとしての「手すり」

 ターゲットが決まれば、高齢者のADLに合わせた設計が必要である。これらは単純に設置すればいいと言うことではありません。歩ける人が多ければ、歩ける人専用の高さにし、中国の北と南とでは平均身長も違うので、身長の高い北京の施設が、広州での施設建設の際には留意する必要がある。

「手すりの形状と設置場所」

 一般市民が利用する施設と違い、高齢者は握力がなかったりするので、あまり角ばった手すりは敬遠される。丸みを帯びた手すりにする必要がある等、設置場所は廊下やトイレ、風呂場等、あらゆるところにターゲットに合わせて、設置する必要がある。

栄養管理

 中国の施設では、先日訪問した際には、食事は肉料理、野菜料理、スープ、果物と分かれていることが多かった。しかしながら、高齢者の必要な栄養素を考えてのメニューになっていなかった。高齢者の御世話をするための施設で、病気の人たちを管理する施設ではないので無理もありません。特に糖尿病の人は非常に注意する必要があるのですが、そういう管理にはなっていないことには思えておく必要があります。

また、高齢者は全員歯が丈夫あるとは限りません、歯が弱い人も存在しているのも事実である。そうした方への食事のメニューは、通常のカロリーの計算された食事か、流動食になるのか、個別の事情によってことなる。

 そういった管理は日本では当たり前のことではあるが、中国では当たり前ではない。中国の方は箱モノを建設するのは得意であるが、介護施設の様な聞設計時の気遣い、ソフト面でのケア等は日本の長年の経験がものをいう。

 これらの内容は無数に存在するが、日本の施設運営者に取ってみれば、中国の施設運営者にとってみれば、当たり前ではないことで、ここに日中間の協力の必要性がある。

<次回に続く>