高齢者の人口について、2005年の実績値から2025年の推計値(国立社会保障・
人口問題研究所による07年5月推計)をみての特徴は次の2つです。
高齢者の増加は、地方より都市部、更にいえば埼玉、千葉、神奈川といった
都市近郊のベッドタウンを直撃すること。そして、その増加の主たる層は後期
高齢者であるということです。
この傾向は市町村別(08年12月推計)ではより顕著になります。
後期高齢者の増加率1位は埼玉県三郷市で3.98倍。以下、千葉県浦安市
3.95倍、埼玉県鶴ヶ島市3.91倍、埼玉県八潮市3.81倍、埼玉県伊奈町
3.72倍と続きます。
後期高齢者の全国平均増加率は1.86倍と激増するのですが、それが約4倍
となれば、その増加率の高さがわかると思います。衝撃とさえ言えます。
社会構造そのものが変わるのです。その衝撃に我々は耐えられるのでしょうか。
「このままでは間に合わない」
確実に増加する介助の必要な高齢者の生活を支援するインフラ整備が必要です。
ピンピンコロリを願う人は多いが、なかなかそうはいきません。大多数が、徐々に
身体や認知能力を下げ、医療や介護が必要になることを前提に、安心して年を
とることができる生活環境を整備する必要があります。
後期高齢者の激増を前提に、そういった生活環境の整備を実行できている都市
はあるのだろうか。「高齢者が住みやすい街づくり」といったコンセプトを掲げる
自治体は少なくない。しかし、2025年まであと15年。コンセプトではなく、
一日でも早く実行に移らなければなりません。
(以上WEDGE8より詳細を抜粋)
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