派遣スタッフ募集時給が過去最高を更新中、ただし介護や看護師は下落が続く IRORIO(イロリオ) – 海外ニュース・国内ニュース 5月18日 介護・看護の派遣の時給が下落しているという驚くべき内容が報告されています。もし、それが事実だとすれば大変なことが起きていると言わざるを得ません。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 約2年間増加が続く リクルートジョブズの調査によると、派遣スタッフの募集時平均時給が、過去最高となっていることが分かった。 三大都市圏(関東・東海・関西)における4月の平均時給は1594円(前年同月比+66円、前月比+8円)で、今年2月にこれまでの過去最高となって以降、3か月連続で過去最高を更新している。 また前年同月比の増減では、2013年6月以降、23か月連続でプラスとなった。物価との兼ね合いによる実質賃金の問題はあるものの、金額的には約2年間増加し続けてることになる。 IT・技術系とクリエイティブ系が上昇 業種別の前年同月比で大きく増えたのは次の通り。 通訳・翻訳:1778円(前年同月比+96円) 金融事務:1461円(同+29円) SE・プログラマなど:2370円(同+109円) 運用管理・保守:2089円(同+212円) OAインストラクター:1736円(同+115円) デザイナー:1568円(同+134円) WEB関連:1772円(同+79円) 医療事務:1130円(同+38円) 治験関連:1828円(同+45円) インストラクター・講師:1899円(同+165円) 目立つのはIT・技術系の募集時給の上昇だ。IT・技術系全体でも2030円で前年同月比+123円となっている。 それに次いでクリエイティブ系全体も1677円で前値同月比+75円と伸びている。 減少したのは5つ 前年比で募集時給が減少したのは小区分で5つだけとなった。具体的には次の通り。 財務・会計:1502円(前年同月比-121円) 受付:1330円(同-17円) 旅行関連:1315円(同-29円) 介護関連:1332円(同-10円) 看護師・准看護士:1866円(同-8円) 不思議なのは、人手不足が叫ばれている介護関連と看護師・准看護師の募集時給が下がっていることだ。 医療事務やインストラクター・講師などの大幅アップもあり、医療介護・教育系全体では、13か月ぶりの前年同月比プラスだが、それだけに介護関連と看護師・准看護師のダウンが目立つ。 以前の記事で、介護報酬の引き下げや医療機関の経営難などによる、スタッフの時給アップの困難さがあるのではと書いたが、このままでは人手不足と経営難のスパイラルに陥る可能性もありそうだ。 医療事務や介護関連の時給の低さ それぞれの業種別に募集時給の低いものは次の通り。 【オフィスワーク系】 受付:1330円 データ入力:1383円 【営業・販売・サービス系】 販売:1292円 接客・ショールーム・カウンター窓口:1292円 旅行関連:1315円 【IT・技術系】 CADオペレータ・CAD設計:1639円 【クリエイティブ系】 DTPオペレータ:1525円 【医療介護・教育系】 医療事務:1130円 介護関連:1332円 統計的な数字だけの比較をしても、意味は薄いかもしれないけれども、医療事務や介護関連の時給の低さが一目瞭然だ。 医療事務にしても介護にしても、時給がこれでは、データ入力か販売業務に転職を考える(と言うか実行する)人がいても当然だろう。