前回のブログでも特養の待機待ち42万人に16戸バージョンの 小規模ローコスト型高齢者住宅「eL3」を投入したとして、約2万 6000棟が必要であり、合計で2兆6000億あれば、この方々の 受け入れができるとお話しました。この話をもう少し続けてみたい と思います。 ちなみに2010年度の子供手当は2兆3000億、一人の子供に 1万3000円を支給されたわけですが、ほぼ同等の金額になり ます。両者を比較した場合に、その波及効果には大きな差があると 言わざるを得ません。 子供に支給するのが良いのか、高齢者に支給するのが良いか という議論は別として、もし、2兆6000億の高齢者住宅への 投資が行われた場合に、どのような経済効果があるかを考えて みたいと思います。 まずは、介護部門の人材として20万人超の雇用が生まれるでしょう。 建築では概ね2兆円の受注が発生することになるでしょう。 そして、当然建築関連の雇用効果もプラスとなりましょう。 介護事業としては2万6000棟で介護保険を含めて年間1兆5600 億円の産業が生まれます。 その他給食事業等関連事業、消耗品への波及効果も高いと思われます。 高齢者住宅事業はあくまでもインフラ事業ですから、このインフラを 作る不動産・建築関係事業、運営の介護事業、そしてそれらをバック アップする、金融、保険等の事業を積み上げていくときにその広がりの 大きさは子供手当の比ではありません。 子供手当の2兆3000億は一体どこに消えていったのでしょうか? 確かに一部は消費に回ったと言われますが、どれだけの産業 育成につながったのでしょうか?果たして20万人の雇用が生まれた のでしょうか? 2兆6000億の資金も、全額国が資金を出すとうのではなく、国が保証 して、金融機関が貸し出すという方法もあるでしょう。或いは本日の新聞 に出ていますように企業の待機資金が470兆円あると言われますが、 この資金を投資として活用する方法もあるでしょう。資金はないのではなく、 外に出ていかずに企業内部、あるいは預貯金として滞留してしまっている のです。 これらの資金の有効活用がポイントなるのですが、その為には 将来を見通す、規制緩和と税制の抜本的な改革が必要になります。 もう我々には残された時間がありません。誰かがどこかで新たな仕組みを つくらねばなりません。