最後に、これまでの医療法人の取り組みの問題点を振り返って、今後の成功ポイントを 整理しますと、次のようになります。 ①対象者を間違えないようにすること。  医療に求めれているのは医療依存度の高い高齢者のケアであって、一般的な高齢者の  賃貸事業をやるのでは意味がないこと。 ②対象者に併せたハード仕様とソフトの設定を行うこと。  これがアンバランスな高齢者住宅が散見されます。医療依存度、介護依存度が高くなれ  ばなるだけ、それに併せたハード仕様(部屋の広さ、エレベーターの箱の大きさ、トイレ、  お風呂の仕様等)とソフト(受入基準に併せた人員体制並びに専門体制) ③入居金等の月額利用料金の設定を誤らないこと。  医療法人の取り組みは医療保険と 介護保険の両面からの収益確保が可能なだけに、  初期の料金設定を低めに設定することが成功要因となります。建築に多大な費用をかけ、  それが家賃や管理に反映されて、高額な高齢者住宅を作る失敗をしないこと。多くの患者  様が負担可能な料金設定が求められること。・・・大半の間違いはここにあります。 ④医療と違って、営業という世界が必要となります。  入居者の個別相談を含め、医療法人や介護事業所と連携を取りながら、顧客を管理する  ことが求められます。特に顧客を創造する 仕事、拠点周りや販促企画、御家族懇談会等  のきめ細かい取り組みが求められます。   ⑤第3のケアプランにもとづく高齢者住宅用の充実した  サービス体制を構築すること。  生活をベースとして、医療と介護を一体的にサポートするプランがサービスの品質を決定  するでしょう。 ⑥介護と看護のトータルマネジメントシステムを構築すること。    Plan-Do-SeeーCheck のマネジメントサイクルを構築する仕組みが必要です。 これらの取り組みをきちんとできる医療型高齢者住宅はすごいパワーを発揮することが できます。医療と介護が融合した新しい高付加価値業態と言えるでしょう。そのような モデルが出来始めているのです。それこそが今日、世の中が求めている新業態なのです。 医療法人の取り組む高齢者住宅は大変なビッグビジネスになるでしょう。