前回に続き、医療法人が取り組む高齢者住宅事業の問題点を事例を通してみてみ たいと思います。今回は、 ケース3:運営ノウハウの欠如とマネジメントの欠如のケースです。 医療法人が運営する住宅型有料老人ホームにおいて、運営面で完全に行き詰った けケースです。小規模の高齢者住宅とデイケアを運営をしておられましたが、その 運営において重大な問題点がありました。 管理者は病院側で設置をしておりましたが、介護は専門家を雇ってやってもらうとい う方針で、そのマネジメントを完全にゆだねてしまいました。居宅支援事業所を併設 しておりましたので、その運営についてはケアマネにお任せになってしまい、管理者 不在という状況になりました。 現場では住宅型有料老人ホームの運営について熟知したものがいなかった為に、 そのケアマネの言うとおりになっていったのです。どういう問題が起きたかと言うと 住宅型という特殊形態でのケアプランの作り方をそのケアマネがしらなかったところ から悲劇が始まりました。 経営者としてはできるだけ、介護保険を取ってほしいという要望をあげるのですが、 一般の在宅でのケアプランの作り方しか知らないケアマネにとっては、それは無理 に介護保険を使わせようという悪徳経営者にしか映らなかったのです。 住宅型や高専賃でのケアプランの作り方は弊社の取締役の宮地がいつも言うように 施設系のケアプランや訪問系のケアプランとは異なる第3のケアプランの作り方が 必要なのです。しかし、そのケアマネージャーにはその作り方がわからなかった為に、 無理に介護保険と取らせようとしているとしか映らなかったのです。結果、次々と ケアマネが辞めていきました。 そして、その最後のケアマネが行政に介護保険の取り方に問題ありと告発をしたの です。そして、病院側はその管理責任を問われたのです。 地域のケアマネと連携を取り、高齢者住宅におけるプランの在り方について、その 意味するところを十分に理解を得て取り組みをしていたら、又、そのケアマネに 初期段階できちんとした教育ができていれば、事はここまで大きくはなかったかも しれません。 高齢者住宅のおける医療と介護をどのように提供していくのかのノウハウを事前に 構築して、それをマネジメントする仕組みが必要なのです。 <次回に続く>