介護保険、利用料引き上げ・絞られる施設補助

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介護保険の制度改正による負担増が8月から始まる。今回は一定の所得や資産がある高齢者が対象になり、サービスに対する自己負担が初めて引き上がる。現場には懸念が広がるが、介護にかかる費用は膨れる一方で、さらなる負担増の足音も迫っている。

 ■「入居費が倍、生活破壊」

 名古屋市は今月上旬、介護や支援が必要だと認定されている約10万人に「介護保険負担割合証」を送り始めた。

サービス利用時の自己負担割合を知らせるもので、65歳以上で一定の所得があれば8月から1割が2割になる。同市では約1万3千人が2割負担の見込みという。負担割合証の発送は横浜市や東京都世田谷区でも始まり、全自治体が月内の発送をめざしている。

 サービスの自己負担引き上げは、2000年度に介護保険制度が始まってから初めて。一人暮らしなら年金収入だけで年収280万円以上で2割負担になる。厚生労働省の推計では、在宅サービス利用者の15%、特別養護老人ホーム利用者の5%が対象となる。

 施設利用者への補助は対象が絞られる。今年5月、横浜市に住む80代男性の手元に特養の補助申請の書類が届いた。特養には認知症の妻が入居。書類にある質問に従って「はい」「いいえ」をたどると、補助対象に「非該当」とされた。

 これまでは補助で負担が軽減され、利用料の自己負担分と個室の部屋代、食費などの請求額は月7万円ほどだった。施設に聞くと、8月から14万円を超える見込みだという。「いきなり入居費が倍になるなんて。生活破壊ですよ」

 今回の見直しで、介護施設の部屋代や食費の補助が認定される条件が変わる。妻が特養に入居した際、男性は妻と住民票の世帯をわけた。男性は市民税を払うが、妻は男性とは別の非課税世帯とみなされ補助を受けてきた。

8月からは、世帯が別でも入居者の配偶者が市区町村民税課税なら補助は受けられなくなる。