教訓その1 資本政策の誤り

高齢者住宅事業は経営的には非常に固定費の高い事業です。大きな費目は人件費、賃貸で運営する場合には家賃、そして食事コストが3大経費となります。この3つで7割近くを占めることになります。従って、開業してから入居が進まなかった場合にはとんでもない赤字が最初から経営を襲うことになります。極めてリスク性の高い事業です。まずはこの事業は経営リスクが極めて高い事業であることを認識せねばなりません。

しかし、開業から半年から1年程度で満室になれれば、賃貸という事業形態ではそれほど多くの資金は必要になりません。誰しもがそれを願うのですが、そう簡単にはいきません。そこがこの事業の難しいところなのです。

万が一のリスクをヘッジするためには、相当の資金を準備せねばなりません。賃貸であることで安易に少資本(過少資金)でスタートを切った場合には、もし順調に立ち上がらなかった場合には取り返しがつかないような大きな経営リスクを負うことになります。

 

高齢者住宅事業の場合には概ね20年以上の賃貸経営が主流かと思います。その際にも20年にわたる賃料相当の自己資本が必要になると考えるべきかと思います。

上場企業であればこの長期にわたる解約不能リースはリース資産として資産勘定に計上せねばなりません。ならば、当然、それに相当する自己資本を準備せねば他人資本過多の状況では経営は困難となります。

 

我々は賃貸であるということと、低価格で早期入居が可能な為に、資金の循環を行うことを前提に過少資本で出発してしまったという失敗を犯してしまいました。順調な時にはそれでも良いのですが、一旦、経営環境が変わって、資金の回転が狂いだすと、一気に経営危機に陥ることになります。この認識を経営の最初から持たねばなりません。リース資産としての認識、そしてそれに見合う自己資本、これはこの事業の鉄則かと思います。<続く>