高齢者の住み替えについてダイヤモンド社から本の紹介を兼ねてレポートされていますので、ご紹介致します。今後住み替え需要が増すと考えます。どのような住み替えが考えられるのかを一つのテーマとして探ってみたいと思います。

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ダイヤモンド社【第1回】2017629

子育て後の老後を豊かにする住み替えのススメ

「マイホームは一生に一度の買い物」とよく言われます。ところが近年、郊外の一戸建てに住むリタイア世代が今の家を手放して、小さくても利便性の高いマンションへ住み替えるケースが増えています。

このように、あえて狭い家に住み替えることを「ダウンサイジング」といい、なかでも「都心型のコンパクトなマンション」への住み替えが人気を集めています。

年齢とともに食事や服装の好みが変わっていくように、ライフステージが変われば、住まいに求めるものも変わります。そこで、老後を見通した失敗しない住み替えの考え方について『都心の小さな家・マンションに住み替える』の著者が2回にわたり、お話しします。

郊外の庭付き一戸建ては、古い、ムダ、不便と感じませんか?

 子育てのことを考えて購入した郊外の広い庭付きの家。子どもが成長するまでの間は不可欠だったその住まいは、子どもが巣立った後も、あなたにとって最適な住まいと呼べるでしょうか? 駅や都心までの遠い道のりを我慢し、広い部屋や庭を維持するためだけに、大切なお金や労力を投入し続けることにならないでしょうか?

 家を買ったら、そこで一生暮らしていく――。なんとなくそうした考えを持っている人も多いと思いますが、国土交通省の「平成28年度住宅市場動向調査報告書」によると、実際には住宅購入者の2割以上が住み替え(=2回以上住宅を取得)を行っていることがわかります。いかがでしょう? 思っていた以上に多い数字ではないでしょうか。

新築マンションに住み替えた世帯主の年齢構成比。一次取得者では30歳代が多く、二次取得者では60歳代がもっとも多くなる 出典:国土交通省「平成28年度 住宅市場動向調査」より。

 「でも、もうリタイアも見えてきたし、今さら住み替えなんて……」と思われる方は、年齢についてのデータもご覧ください。前出の国土交通省の調査によると、

住み替えをした人(二次取得者)の世帯主の平均年齢は、新築マンションで56.8歳、中古マンションは54.3歳となっています。前出の住み替えした人2割のなかには、転勤等が理由の人も含まれますが、平均年齢を考えると、老後を視野に入れて住み替えた人のほうが多いように思われます。

 このように、子育ての終わりやリタイア生活が視野に入ってきた40代~60代になって、住み替えを実践する人は決して少なくないのです。

<次回に続く>