<前回に続く>

・・・厚労省の集合住宅に対する規制強化は更に強化されています。併設の効果を削ぐことしか考えていません。このままでは第3の住宅モデルはできません。
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 その好例は、訪問診療に熱心な医師のいる地域医療で散見できる。医師の他看護師やケアマネジャー、ヘルパー、デイサービス職員、栄養士など要介護者に関わる全員が集まるケア会議で、あらゆる方向から全体像を確認しながら、本人と家族を交えて今後の対応法を検討する。ケアマネジャーが本来の会議主宰者だが、実態は医師主導型が大半である。医師が、一歩下がって巧みに会議を導く。

 こうした異業種の連携が上手くいっているのは人間関係が濃密な地方に多い。伝統的な社会基盤が未だに残っているからこそ、実現できたかもしれない。

 濃密な人間関係を嫌い、出奔してきた新住民が多数派の都市部では、そう簡単にいかない。だから「コミュニティ」づくりが喧伝される。

 都市部でも熱意のある訪問診療医はいるが、職種や法人を横断的にまとめあげるグループづくりは難しい。事業者相互の親密度が少なく、利用者との物理的心理的距離も遠い。

 従って、多様なサービスを展開し、組織力のある事業者がリーダーとならざるを得ないだろう。そこに医療も含まれていればなお結構である。

つまり「囲い込み」は一概に否定されるべきではない。要介護者のライフスタイルから障害の全体像をきちんと把握し、必要な医療・介護・生活サービスを臨機応変に注ぐことができるのは、囲い込んでいるからこそでもある。