<前回に続く>

人材不足解決のために他にできることとしては、フィリピンやインドネシアなどからの介護士をもっと積極的に受け入れることだ。日本は経済連携協定(EPA)によってアジア諸国から看護師や介護士を受け入れているが、期限内に国家試験に合格しなければならないなどの厳しい条件をつけているため、人数がなかなか増えない。

フィリピン人の介護士の優秀さは世界的にも証明されているが、カナダ人の社会保障の専門家はこう指摘する。
「カナダでは多くの優秀なフィリピン人介護士が働いています。でも、もし日本が基準を緩和するなどしてもっと多くのフィリピン人介護士を受け入れれば、彼らはわざわざ地球の反対側の“寒い国“にやってきて働く必要はない。彼らにとっても日本で働く方がずっと楽でしょうし、日本もそれによって大いに助かるはずです」。

最後に、日本が在宅介護を推進する上でデンマークから学べることは、医療と介護の分野の密接な連携体制ではないかと思う。

デンマークでは病気を抱えた高齢者の医療・介護ケアにおいて、病院の医師と介護職員の連携(コミュニケーション)が密に行なわれており、何かあればすぐに対応できるようになっている。

例えば、医療機関の電子カルテシステムがよく整っていて、介護の利用者が病気になった場合、どこの医療機関へ行ってもその人の病歴などの情報がすぐに取り出せるので診察がやりやすく、それが在宅介護の充実にもつながっているという。

日本でも2025年問題を控え、在宅医療・在宅介護の重要性は認識されており、厚労省は2012年に「在宅医療・介護推進チーム」を設置した。しかし、訪問診療や訪問介護サービスを提供する体制は不十分で、両者の連携も十分とれているとは言えないのが現状である。