<次回に続く>

私が米国で下流老人の取材をしながら強く感じたのは、ソーシャルワーカーやNPOスタッフの多くが、「高齢者の生活と尊厳を守ろう」という強い意思を持っていることだ。

日本では以前、電気代を払えずに電気を止められてしまった高齢男性(83歳)の話がテレビで報じられたが、これは「高齢者の尊厳」という点から考えてどうなのか。私は米国のソーシャルワーカーにこのケースについて説明すると、その人は驚きの反応を示し、「高齢者虐待ではないか」と主張した。

つまり、高齢男性は夏の暑い時期に電気を止められ、エアコンを使えず、熱中症の危険にさらされた。これが米国だったら、電気を止めた会社だけでなく、その状況を放置した(見て見ぬふりをした)周囲の人も罪に問われる可能性があるというのだ。

それにしても、熱中症のリスクがあるにもかかわらず、電気代を払えない高齢者の家の電気を止めてしまう、このような行為を許してしまう日本社会の冷たさについて改めて考えさせられた。

米国には低所得家庭の電気・ガス・水道代などの支払いを援助する低所得世帯光熱費支援プログラム(LIHEAP)があるが、日本でも同様の支援措置を設ける必要があるのではないか


・・・・日本の高齢者の生活と尊厳は急速に失われつつあります。 誰がストップをかけるのか?(コメント)