<前回に続く>

 ●軽度者にしわ寄せ

 財務省は例えば機能訓練加算がない事業所の「減算措置」を唱える。デイサービスは介護保険の総費用の約17%を占める。財務省はその約半分を占める要介護1、2のデイサービスを介護保険制度の本体から外し、自治体が主導する介護保険制度内の別の仕組みに移すよう主張する。「減算」はその露払いだ

 日本医師会の鈴木常任理事も、家族の休息を目的とした預かりだけなら報酬評価を抑えると主張。「このままだと軽い人のサービスを切り詰めないといけない。本当は消費税も社会保険料も上げたらいい。その余地はある」と話す。
・・・その前に垂れ流しの医療報酬の改定が先でしょう。(コメント)

 千葉県柏市の民家に笑いがはじける。「あいゆうデイサービス東山」(定員8人)は認知症専門の小規模施設だ。昼食の調理や洗濯物をたたむなど、利用者がそれぞれ小さな役割を果たす。週1回、理学療法士の指導も受けるが加算は取れず財務省の主張通りなら減算対象だ。

 目のほとんど見えない男性はキノコの下準備はできなかったが、青菜の処理はできた。問題行動があり他の施設を断られた人も人間らしく扱われると落ち着く。

「みんな『自立支援』を勘違いしている。要介護度を下げるのは一面的。その人らしい生活を継続することこそ自立支援だ」と内田千惠子施設長は話す。

 介護保険に詳しい伊藤周平・鹿児島大法文学部教授は「通常は現状維持が精いっぱいで、状態が改善したかどうかの基準もあいまい。減算は介護サービス抑制を正当化する手段になる」と批判する。【斎藤義彦】

・・・その通りです。改善の根拠を明確にする必要があります。加えて、改善の持続性もきちんとした根拠を作るべきではないでしょうか?(コメント)