<前回に続く>
現場を知らない一部の委員の意見により介護制度の根本がないがしろにされる、そんなことは許されません。まして、数字しかみない財務省の見識の無さに驚きます。(コメント)

在宅生活は介護制度の根本のはずなのに…

 すべての自治体の担当者が異口同音に答えたのは「調理と服薬の確認」である。やはり食事であった。それに薬をきちんと飲んでいるかを見極めること。共に、朝昼晩の3回の定期訪問が必要である。

 1人暮らしであることも共通点だ。1人暮らしでも食事がしっかり提供されていれば、施設に入居せずに、在宅生活が続けられることがよく分かる。

 滋賀県高島町の要介護3の住民は、息子と2人暮らしだという。同市介護保険課の担当者は「朝食は息子さんが出かける前に作っていきますが、本人は1人では食事が摂れないので、ヘルパーが日に3回入っています」と話す。「自宅暮らしは本人と家族が望んでいることです」。

 ここでも、食事の確保があるからこそ、在宅生活が維持できている。

 こうした要介護者への生活援助、それを支えるケアプランについて、各自治体の担当者はいずれも「利用者にとって必要なサービスである」と強調する。さらに「安易な施設入所を止めて、自宅で在宅サービスを十分に使って在宅生活を送ることを奨励しているのは国自体のはず」と、財務省の主張に真っ向から反論する。

「家で頑張りましょう、というのが現在の介護制度の根本の考え方でしょう。それを覆すような指摘はおかしい」と標津町の担当者。

 加えて、「90回の利用でも、在宅サービスの限度額を下回っていて、制度上は全く問題ないと思う」という声も各自治体の担当者から聞いた。

 給付費分科会の委員が話していた「過剰なサービス」「必要であるか疑問」という考え方の不自然さが浮き彫りになる。

というよりも、そもそも財務省が介護保険のデータから数字だけをピックアップして「異常性」をことさら強調しようとする姿勢が問題だろう。

「現場に問い合わせれば、なぜ90回が揃って多いのかがすぐわかるはず。データ画面の数字だけしか視野にないのだろう」と冷ややかに話す自治体もあった。