人生100年時代構想会議初回の安倍首相の冒頭挨拶文を載せておきます。

平成29年9月11日、安倍総理は、総理大臣官邸で第1回人生100年時代構想会議を開催しました。

 会議では、今後の会議の進め方について議論が行われました。

 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「本日、人生100年時代構想会議がスタートしました。
 人生100年時代を見据えた人づくり革命は、安倍内閣が目指す一億総活躍社会をつくり上げる上での本丸であり、生産性革命とともに、これからの安倍内閣の最大のテーマであります。

  本日は、リンダ・グラットンさんにお越しいただきました。この会議のためにわざわざロンドンからお越しいただいたこと、御礼を申し上げたいと思います。また、各有識者の皆様から、初回から本質的なお話をいただいたと思います。大変充実な意見交換ができたのではないかと考えております。

 麻生副総理からも、発言要領とは大幅に離れた発言をされているわけでございますが、日本は人口が減少していく。一方、団塊の世代はだんだん高齢化が進んでいく。となると何となく暗いイメージを持ちがちでありますが、それに対してしっかりと対応していけば未来は変えられると思っています。

 まずは、様々な御意見がございましたが、一人一人の能力を上げていく、一人一人が学びたい、仕事をしたい、その要求に応えていくことができれば。かつ、高齢者の方々は経験を持っている。その経験をいかしていくと新たな取組が可能となっていくのではないか。また学び直しをしていくことによって、新たな人生を歩んでいただくことによって社会に貢献していただけるし、あるいは、それぞれの人生が100年、もっと充実したものになっていくのではないか。このように思います。

 70歳は昔の60代、50代。私も今年63になるわけでありますが、まだ52、3の気持ちでやっていると思うわけでありまして、先ほどもグラットンさんとお話をさせていただいたのですが、ドイツをあの敗戦から回復させた名宰相のアデナウアーは、74歳で首相になった人で、88歳までやって、1年後に亡くなっているわけです。私はそんなに長くやるということは全く考えていませんから、誤解を呼ばないようにしたいと思いますが、つまり、それぞれの世界の人たちが、その力を十分に発揮していけば世の中はより豊かになり、そしてそれぞれがより豊かな人生を暮らせるのではないかと思います。

 今後の議論のために、論点を整理したいと思います。

 第一に、全ての人に開かれた大学教育の機会確保についてであります。志があっても経済的に恵まれない若者が勉学に専念できる環境整備が必要であり、教育負担の軽減のため、給付型奨学金や授業料の減免措置などの拡充・強化を検討すべきとの意見を頂きました。この方向で議論したいと思います。

 第二に、大学改革について複数の議員の皆様から重要性に言及がありました。何歳になっても学び直しができる環境を整備するためには、社会人の多様なニーズに対応できる受皿が必要であり、IT人材の育成も急がなければなりません。学問追求と実践的教育のバランスに留意しつつ、実践的な職業教育の拡充を図る必要があります。同時に、リカレント教育を受けた方に就職の道が開かれるよう、産業界には人材採用の多元化を検討していただきたいと思います。

 第三に、全世代型社会保障への改革であります。若い世代への公的支援の充実という御意見を頂きました。待機児童対策、幼稚園・保育所といった幼児教育無償化の加速、また、介護離職ゼロに向けた介護人材の確保対策をしっかりと進めていく必要があると考えます。

 第四に、これらの施策の実行に伴う財源の問題についても御指摘がありました。財源がなければ政策は実現できません。財源についても、この構想会議の場でしっかりと御議論いただきたい。そして結論を出していきたい、こう考えております。

 その他、重要な御意見をたくさん頂きました。本日頂いた意見に応えることができるように、年内中間報告、来年前半の基本構想に向けて、茂木大臣を始め関係閣僚はこの構想会議の有識者の皆さんのお力を得ながら、スピード感を持って、検討を進めていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。」