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無縁仏となった遺体への自治体の対応

無縁仏となってしまったご遺体への自治体の対応は、法律によって定められています。身元が判明しない遺体を行旅死亡人と呼びますが、行旅死亡人は「行旅病人及行旅死亡人取扱法」、身元のわかる遺体は「墓地、埋葬等に関する法律」(墓地埋葬法)が適用されます。

行旅病人及行旅死亡人取扱法は明治32年に施行されたとても古い法律で、漢字とカタカナで条文が書かれていてとても読みづらい法律が、いまでも使われています。

その1条2項には、

「住所、居所もしくは氏名が知れず、かつ、引取る者がいない死亡人は行旅死亡人とみなす」
と書かれています。

そして、7条には、

「行旅死亡人がいるときはその所在地の市町村が、その状況や容貌、遺留物件などの本人の認識に必要な事項を記録した後で、その遺体の火葬、埋葬をしなければならない」
と規定しています。すでにご紹介した自治体の対応はこの規定に基づいてなされています。また、墓地または火葬場の管理者はこの火葬や埋葬を拒むことができないとされています。

さらに、9条には、

「行旅死亡人の本人の認識に必要な事項を官報等に公告しなければならない」
としています。官報には、毎日のように、しかも何人もの行旅死亡人に関する事項が掲載されています。そこに掲載されているのは、死亡した方の体格や推定年齢、所持品、衣服の特徴、発見時の状況などですが、この情報でどこまでその人の身元がわかるまでの情報が得られるかはわかりません。


身元のわかる遺体の取り扱いについては、墓地埋葬法が規定しています。

9条は、

「死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない」
と規定しています(比較的新しい法律なので(とはいっても昭和23年施行ですが)条文は読みやすいですね)。自治体はこの規定に基づいて対応をしていることになります。


ちなみに、埋葬又は火葬は、原則として、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ行ってはならず(3条)、埋葬は、都道府県知事の許可を受けた墓地以外ではできず(4条1項)、火葬も同様の許可を受けた火葬場以外ではできないとされています(同条2項)。これらの規定に違反した者には罰則が科せられます(21条1号)。

<次回に続く>