<前回に続く>

「死して孤独」という悲劇を乗り越えるために

無縁社会という言葉の広がりからもわかるとおり、私たちの社会は確実に変化をしています。コミュニティの消失、格家族化といった言葉がメディアをにぎわせています。

つまり、無縁死は決して他人事ではないということです。無縁死した人にもかつては家族がいたはずです。結婚して子どももいたかもしれない。いわゆる、「普通」の暮らし送っていたのかもしれないけれど、何かのきっかけで、社会的に孤立せざるをえなかったのかもしれません。

それぞれの人生があったはずなのに、社会から孤立し、孤独な想いを抱えながら、死ぬ時も一人、さらには死んでからも行き場がないというのは、あまりに悲しいことです。

こうした現状は、「都市型限界集落」と呼ばれている山谷地域においては、より深刻です。この現実を少しでも改善したい。こうした想いがこのプロジェクトには込められています。

(吉間慎一郎)