兵庫県西宮の特養で、週休3日制の導入で成果を上げている事例が報告されました。弾力的な労務体制で不足する人材確保を図ろうとする取り組みが成果につながっているようです。今後、施設運営において是非、参考にしたいと思います。
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2017/9/22 05:30神戸新聞NEXT

        
週休3日制度を導入した「ローズガーデン甲子園」の職員ら=西宮市甲子園九番町
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週休3日制度を導入した「ローズガーデン甲子園」の職員ら=西宮市甲子園九番町

 兵庫県西宮市甲子園九番町の特別養護老人ホーム「ローズガーデン甲子園」が今年3月から、週休3日制を導入している。離職率が高く、深刻な人手不足に陥っている介護現場。働きやすい環境づくりをアピールすることで人材確保を狙う。

 同ホームは昨年4月にオープン。特養75床とケアハウス20床などを備え、非常勤も含め計45人の職員が働く。

 これまでの勤務態勢は早出、遅出、夜勤の3交代制。しかし、オープン当初から職員の確保が難航した。同業他社への転職もあり、辻村広志施設長(44)は「人手不足が常に悩みの種だった」と明かす。

 そこで打ち出したのが週休3日制。1日の勤務時間を延長することで、1週間の労働時間数を維持したまま、給与を下げずに週に3日間の休みを確保した。

 フロア長の井上浩二さん(39)は「労働時間の延長はわずかなので、負担は少ない。むしろ時間に追われず、余裕を持って仕事に臨めるようになり、残業も減った」と歓迎する。さらには「休日が増えたことで、健康管理や家族との時間が取れるようになった。職場の愚痴も減り、明るくなった」という。

 制度開始以来、職員は計10人増となり、75%程度だった施設のベッド稼働率は今秋にも満床になる見通しだ。

 介護職員の人員不足は全国的な問題となっており、厚生労働省の推計では、8年後の2025年には全国で約37万7千人、兵庫県でも約2万3千人が不足するとされる。

 運営する社会福祉法人豊中福祉会(大阪府泉大津市)によると、週休3日により、人件費は約2%増加。しかし、八木勲専務理事(36)は「職員が定着してくれることで、求人広告を出す回数も減り、結果的にはコスト減につながるはず。働きやすい環境づくりをしていくことで、多くの人に介護業界で働いてもらいたい」と話している。(前川茂之)