東洋大学高野龍昭先生が今回の介護報酬議論に対して提言をされておられます。

先生が危惧をされるように、危機が本当に大きくなるのは25年ではなく、実際には35年以降ではないかとの考えに同感です。

図で示めされているとおり、高齢者1人あたり介護給付費(年額)を年齢階級別にみると、高齢者が75歳に到達してもさほど増加せず、85歳ないしは90歳以降に急増する傾向があります。


この意味で、第1次ベビーブーマーが85歳を迎える30年代後半が、介護保険制度の真の正念場となると警告を発しておられます。先生の報告をご紹介しておきます。
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介護危機打開できるか(上) 疲弊した事業者に配慮を


高野龍昭 東洋大学准教授  

経済教室
コラム(経済・政治)                    

2017/12/7
情報元日本経済新聞 朝刊

ポイント
○現実の介護事業者の経営状況は相当逼迫
○40歳以上の被保険者年齢引き下げ検討を
○介護保険制度の真の正念場は30年代後半


 人口の最大のボリュームゾーンである第1次ベビーブーマー(団塊世代)がすべて後期高齢者となる2025年が迫り、社会保障給付が一層膨張すると予測されている。とりわけ介護分野は、社会保障主要3分野(年金・医療・介護)の中で費用額の伸び率が最も高いと見込まれる。財源や人材確保が厳しさを増し、「介護危機」と呼ぶべき状況に陥ることが危惧される。

 本稿では介護危機の打開策について、介護報酬改定という短期的な視点と、中長期的な介護保険制度の持続可能性の2つの観点から論じる。