先日もこのブログで取り上げました佐賀県の特養で入居者のカテーテルを抜いたとして傷害罪に問われていた介護士の無罪が確定し、その内容が報道されていますのでご紹介をしておきます。2014年の事件ですので、無罪判決が出るまでに2年半という長い時間がかかっています。
この間に一体何があったのでしょうか? 事実が判明するまでそんなに長い時間を要したのは何故でしょうか?この介護職員の2年半に及ぶ裁判にどれだけ傷ついたことでしょう。
介護の現場にはこのようなリスクもあるのです。このようなことも介護の仕事が敬遠される理由の一つかも知れません。
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傷害罪に問われた介護職員に無罪判決 佐賀地裁

上山崎雅泰

朝日新聞2017年12月12日15時00分

養護老人施設の入所者のカテーテルを抜いてけがをさせたとして傷害罪に問われた佐賀県鹿島市の介護職員藤武奈緒美被告(32)に対し、佐賀地裁は11日、無罪判決(求刑懲役1年)を言い渡した。吉井広幸裁判官は「被告がカテーテルを故意に抜くというのには合理的な疑いが残る」とした。

 起訴状では、被告は2014年12月、施設の90代の入居者の腹部から、胃に栄養を送るためのカテーテルを無理やり抜き、約3日間のけがをさせたとされた。

 判決では、カテーテルを抜くには相当な力を込める必要があるとしたうえで、施設が録画していた映像について検討。入居者の腹部付近に左手を差し入れて腕を動かしてはいるが、特に力を込めている様子はうかがわれないと指摘し、「行為がカテーテルを抜こうとしたというのは不自然・不合理な点が残ると言わざるを得ない」と結論づけた。

 抜けた原因が特定できないことから「より周到な捜査がなされる必要があったと思われる」とも断じた。

 判決を受け、佐賀地検の大山輝幸次席検事は「今後、判決文を詳細に検討し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメント。被告側代理人の弁護士は「逮捕から無罪まで約2年半かかった。検察庁には、彼女を早く裁判の拘束から解放したいという思いが届いてほしい」と話した。