筋肉が衰える「サルコペニア」から身体機能や認知機能が衰える「フレイル」へと移行して要介護状態になると言われます。それを防ぐには粗食をやめて肉や卵を食べて筋力をつけること、そして運動することが長寿となる、そんなお話です。納得です。頑張りたいと思います。
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【サプリで認知症予防&健康長寿】要介護を避けるには粗食をやめ、積極的に肉や卵を食べて「フレイル」防止へ

夕刊フジ 2018/1/17

団塊の世代が全員75歳以上になる「2025年」も目の前にせまってきました。その前に筋肉の減少を最小限にとどめ、いつまでも歩く、食べる、考えることができるようにしたいもの。でないと、悲惨な老後が待っています。

 老化は筋肉の減少から始まります。筋肉量が減少し、握力や歩行機能の低下などの身体機能の悪化が見られる状態を「サルコペニア」と呼んでいます。サルコは筋肉、ペニアは減少という意味のギリシャ語で、筋肉減少症とも表現されます。

 筋肉量は、20歳を最高に年1%ずつ減っていきます。10年で10%減り、50歳は30%、60歳で40%も減ることになります。さらに、60歳から急下降し、生活に支障をきたすようになります。

 前回、筋肉はエネルギーを生み出す働きがあることをお話ししました。加齢とともに、活力エネルギーも減少してしまうことになります。太りやすくなるのも、疲れやすくなるのも筋肉量が減ることが影響するのです。いつまでも若々しくいたいなら筋肉量の低下をなるべく最小限にとどめることです。

 20代の筋肉量を維持することができれば理想的なアンチエイジングになります。タンパク質を十分にとり、筋トレを含めた運動をすれば可能なのです。筋肉は黙っていれば減る一方なのですが、ちょっとした工夫で増やすことができます。

さて、サルコペニアと同様、最近、注目されている表現が「フレイル」(虚弱)です。体重の減少、疲れやすさ、歩く速さの低下など、このままでは要介護の状態になる可能性が高い状態をいいます。筋肉の減少が大きな原因です。

 多くの高齢者は、健康な状態から筋肉が衰えるサルコペニアの状態を経て、身体機能や認知機能が衰えるフレイルと進むのです。

 介護されたくないなら粗食はやめ、筋肉の原料となる肉や卵などを積極的に食べることが重要です。そして運動をして筋力を低下させないことが、元気で長生きの鉄則といえるでしょう。

 ■栗原毅(くりはら・たけし) 医学博士。栗原クリニック東京・日本橋院長。前慶応大学特任教授。「血液サラサラ」という言葉を提唱し、著書やメディア出演などを通じて予防医療の大切さを訴えている。