連載
[QOD 生と死を問う]ひとりの最期(下)金銭管理 お手伝い

判断能力ある高齢者を援助

「ひとりの最期」を住み慣れた自宅で迎えるには、介護や医療だけでなく、金銭管理などの生活サポートも重要になる。65歳時点の平均余命は女性24.4年、男性19.6年。判断能力がしっかりしていても、足腰が弱って銀行や役所などへ行きづらい人も多い。ひとり暮らしの質を高める「ちょっとした支え」を取材した。

  ■「任意代理」活用

 「弟や妹も高齢だし、それぞれ持病や事情もあるから、あてにできないんですよ」「電話してもらえば、すぐに伺いますからね」。1月中旬、東京都品川区のひとり暮らしの女性(84)宅を、同区社会福祉協議会の斉藤直美さんが訪ねた。

 女性は2016年春、同社協と「あんしんサービス」の契約を結んだ。毎月1回、斉藤さんらが自宅に来て、生活状況や健康状態などを確認してくれる。

 女性は夫の死後20年以上、独居生活を続けている。認知症の症状はなく、キャッシュカードで生活費を下ろすのも、買い物も自分でしている。ただ、足腰の痛みが不安で、「今は銀行につえをついて行けるけれど、歩くのが大変になったら困るから」と、金銭管理の支援を受けられる同サービスの利用を始めた。

 以前、「原野商法」で価値の低い土地の購入契約を結んでしまったこともあり、通帳や実印は同サービスの貸金庫に預けている。

 契約時に必要な2万円のほか、基本契約と貸金庫で月額1000円。預金の引き出しなどを頼む場合は、担当者2人のサービス料金として1時間2400円かかるが、「安心のためには必要」と納得している。

 若い頃から歌うのが好きだった女性は、現在も月2回、電車とバスを乗り継いでコーラスグループの活動に参加している。「施設に入ったら続けられないかもしれないから、ずっと家で生活できるといいわね」。サービスを契約した背景には、そんな思いもある。

 「あんしんサービス」は、女性のように、判断能力はあるがサポートが必要な高齢者を主な対象としている。成年後見は、認知症などで判断能力が低下後に援助する仕組みで、判断能力が十分ある人は対象にならない。そこで同社協は、民法の「任意代理」を活用し、02年に同サービスを始めた。

 斉藤さんは「介護保険で利用するホームヘルパーには、現金の引き出しは依頼できない。急な入院時に、病院の手続きやお金の引き出しを頼まれるケースなどが多い」という。役所の手続きも代わりに行う。

  ■任意後見とセットで

 「あんしんサービス」のような任意代理とともに、判断能力の低下に備え、成年後見の一種である任意後見の契約もしておけば、将来の状況変化に対応できる。

 任意代理と任意後見のセットは契約が長期に及ぶこともあり、安心して任せられる相手探しがポイントだ。地域福祉にかかわる社協などの法人のほか、料金は高めだが、司法書士や弁護士といった専門職も選択肢となる。

 司法書士でつくる「成年後見センター・リーガルサポート」は相談窓口を設け、研修を受けた会員の司法書士を紹介している。不正防止のため、会員の業務報告をチェック。契約に不慣れな人も多いことから、東京、広島支部では契約を結ぶ際に必ず監督人を付け、料金なども含め、契約書の内容に問題がないかにも目を光らせている。

 認知症は65歳以上の6~7人に1人とされる。リーガルサポートの矢頭範之理事長は「判断能力がしっかりしたまま、長生きして亡くなる方も多い。適正な任意後見と任意代理による安心感の手当てが重要になってくる」と話す。

  <成年後見>  判断能力が衰えた人の権利や利益を守るため、2000年に導入された制度。後見人は、本人に代わって財産を管理したり、契約したりできる。家族などの申し立てで家庭裁判所が後見人を選任する「法定後見」と、元気なうちに選んでおいた後見人が、判断能力が十分でなくなった場合に支援する「任意後見」がある。

信頼できる相手と契約 

 任意代理も任意後見も、本人が死亡した時点で契約は終了する。頼れる親族がいない場合、「死んだ後に必ずしてほしいこと」については、「死後事務委任」という契約を生前に結んでおく手がある。

 葬儀の依頼先や埋葬先などを指定するのが一般的で、「葬儀は行わない」と決めておくことも可能だ。入院費用などの精算や家財の処分も任せられる。成年後見センター・リーガルサポートによると、任意代理や任意後見とともに契約するケースが多い。

 司法書士や弁護士といった専門職のほか、NPO法人などの団体が依頼を受けている。自分の死後に、契約がきちんと履行されたかを見届けることはできないため、信頼できる相手と契約を結ぶことが大切だ。

 ◎QOD=Quality of Death(Dying) 「死の質」の意味。

 (滝沢康弘)





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