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末期の悪性腫瘍利用者の状態変化に応じたケアプラン修正に新加算

 (3)の「利用者が末期の悪性腫瘍である場合のケアプラン修正方法の簡素化」は、利用者が末期の悪性腫瘍である場合、状態の急変に伴って、必要な訪問介護や訪問看護の内容も大きく変わることを踏まえたものです。現行制度では、ケアプランを「急変後の状態に適した内容」に変更する際に、訪問介護事業所や訪問看護ステーションの担当者を集めて「サービス担当者会議」を開くことが求められ、「会議開催を省略できないか」という要望が現場から上がっていました。

 そこで2018年度改定では、利用者が末期の悪性腫瘍で「1か月以内に急変する」と医師が判断した場合に会議開催を省略し、利用者の状態変化を踏まえてケアプランの内容を修正することが認められます。

利用者が末期の悪性腫瘍である場合に、状態変化に合わせて、居宅サービスの内容をタイミングよく修正しやすいように制度が改められる
利用者が末期の悪性腫瘍である場合に、状態変化に合わせて、居宅サービスの内容をタイミングよく修正しやすいように制度が改められる

 また、末期の悪性腫瘍である利用者を担当し、その状態変化を確認してケアプランの内容を修正する事業所の評価として、【ターミナルケアマネジメント加算】(月400単位)が新設されます。算定要件は次の4つです。

(1)末期の悪性腫瘍である利用者本人・家族の同意を得た上で、利用者宅を、通常より高い頻度で訪問する(死亡日と死亡日前14日以内に、2日以上在宅訪問していた実績が必要)
(2)医師の助言を受けつつ、利用者の状態などを把握し、必要に応じてケアプランの内容を修正する
(3)訪問時に得た利用者の情報(心身の状況など)を記録し、主治医やサービス事業者とも共有する
(4)利用者からの連絡を24時間受け付け、必要に応じてケアマネジメントを提供可能な体制である

 上述したとおり、【ターミナルケアマネジメント加算】を年5回以上算定した実績が【特定事業所加算(IV)】の算定要件となります。【特定事業所加算(I)】などを取得している事業所では、末期の悪性腫瘍である利用者に適切に対応できる体制を整えるべきと言えます。

<次回に続く>