寒い日が続きますが、高齢者の低体温症に要注意です。体温が35度以下に低下した場合に低体温症と診断されるようです。低体温症を予防するには、お部屋を20度以上に保つこと、重ね着をすること、そして温かい食べ物を食べること、この3つがポイントのようです。気を付けたいと思います。

産経ニュース2018.2.11 07:00

高齢者は要注意、低体温症…体の中と外を温かくして予防を

冬まっただ中です。救急外来には、夏は熱中症の患者が救急受診されますが、それに負けず劣らず、冬は意識のないお年寄りの低体温症の患者が多数搬送されてきます。低体温症とは、生命の危険にさらされるほど体温が低い状態をいいます。

 体温が35度以下に低下した場合に低体温症と診断します。低体温症になると、はじめは体が激しく震えます。さらに体温が低下すると、震えが止まり、意識が薄れ、やがて意識を失い昏睡状態に陥ります。さらに病状が進むと心拍や呼吸が弱くなり、最終的には心臓が停止します。体温が31度を下回ると死亡する可能性がありますが、大半の死亡例は体温が28度を下回った場合です。

 冷たい屋外で横たわる、水に浸かる、風にあたるなどの寒い環境に身をさらす、また病気や外傷、泥酔などで動けなくなる、さらにはこれらの条件が重なった場合、体温は異常に下がります。特に高齢者は、体を温かく保って寒さに適応する力が弱く、低体温症に陥りやすいです。高齢者は、屋内にいても寒い部屋で何時間もじっとしていると、低体温症になることがあります。

 低体温症の初期であれば、暖かい場所で毛布にくるみ、熱い飲みものを飲ませることで回復しますが、低体温症が進行して意識のない状態で発見された場合は、救急車を手配すべきです。病院に到着すると、体の表面を温めるだけでなく、温かい点滴などを与えて、体温を上げる努力をします。低体温症のために心肺停止状態で病院に搬送された人でも、後遺症なく回復した事例があるため、私たち医療従事者は患者さんの体が温まり、それでも心拍の再開が見られないと判断するまでは、蘇生のための医療行為を続けます。

しかしながら、何と言っても低体温症にならないことが大切です。特に高齢の方々は以下のことに注意していただければと思います。
(1)周囲の温かい環境を保ちます。高齢者は室温を低めに設定することが多いですが、室温は20℃以上にしましょう。
(2)衣類の重ね着も大切です。外出時は帽子や手袋を身につけたりもしてください。
(3)温かい食事をとるようにしましょう。食べものは体の熱を生み出すための燃料の蓄えとなりますし、温かい飲みものは体を温め、脱水も予防できます。飲み物といっても、お酒などのアルコール飲料は禁物です。アルコールが体の血管を広げることで一時的に体が温まったように感じますが、実際には多くの熱を放散させてしまうからです。

 以上のことを行えば、ほとんどの場合、低体温症の予防は可能です。冬の寒さもあと少しだと油断せず、低体温症にならないようお過ごしください。

 (県立医科大学 救急集中治療医学・脳神経外科 講師 藤田浩二)