amazonに続いてAppleも医療分野への進出に意気込みをクックCEOが語っています。医療介護の本体ではなく、その周辺機器や関係産業の成長性が著しく各方面からの参入が続いています。
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2018年2月14日 12時36分 

Appleは医療分野で重要な貢献が可能、クックCEOが語る

Appleのティム・クックCEOは同社の株主総会の席で健康管理分野の将来を語りました。クックCEOは健康管理の市場は激しい競争市場であることを認めつつ、Appleが消費者の要望に即したアプローチを続けることで、この市場でも優位な立場を築くことが可能としています。

万歩計にはとどまらない

現在、Appleが提供する健康管理デバイスといえばApple Watchになりますが、多くの人が使っている機能は歩数管理運動時間(強度)の管理であり、ちょっと高機能な「万歩計」にとどまっていると言っても過言ではありません。しかしクックCEOはこの状態をはるかに超えていくことを約束しています。既にApple Watchで不整脈の前兆を観測する試みも始まり、それで実際に発作の前兆に気づいた例もあります。

  

また将来的にApple Watchに血糖値の測定機能を搭載するための研究が続けられているなど、Apple Watchは多くの人が悩む健康管理上の問題を解決する手段となっていくと考えられます。さらにAppleはiPhoneのヘルスケアアプリと医療機関の連携などを通して、より便利に、より簡単に医療、健康関連の記録を蓄積して利用することを可能にしていくとしています。

規制当局との調整は不可欠

ただApple WatchやiPhoneを医療目的で使うには各国で医療機器としての承認を受ける必要があります。このような承認を大量生産、大量販売を行う製品につけることは費用の面で得策ではありません。現時点ではApple Watch用の特別なバンドがアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を受けて販売されるなど、周辺機器での対応にとどまっています。

 

また日本でも慶應大学が実施していたApple Watchでの不整脈測定アプリの提供が中止(医療機関内での審査・検討不備のため)されるなど、医療関連分野には非常にデリケートな問題もあります。こうした問題を各国の医療現場ですぐに解消するのは非常に難しいと思われますが、Appleは将来的に医療分野で重要な貢献が可能と明言し、この分野でのさらなる活躍を約束しています。