北海道の町立病院(宗谷管内枝幸町国保病院)でインフルエンザ院内感染により31名が発症、内、4人の高齢者が亡くなったとの驚くべき報道がなされました。病院においてかくも多数の感染が起き、死者まで出すという状況はあまり例をみない内容で、その原因究明が求められます。ベッド数83床の内、療養病床が37床ありますので、高齢者がその犠牲になったものと思われます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

インフルエンザ院内で急拡大 枝幸国保病院 31人が集団感染

 【枝幸】宗谷管内枝幸町国保病院(白井信正院長、全83病床)で入院患者23人と職員8人の計31人がインフルエンザに感染し、うち患者4人が死亡した問題で、病院側が保健所への集団感染の報告を怠っていたことを受け、道は16日から全道の医療機関に対し集団感染の速やかな報告を求める通知を始めた。

道保健福祉部は「道内の病院のインフルエンザ集団感染で、これほどの規模の患者数は聞いたことがない」とし、稚内保健所は同日、医療法に基づく立ち入り調査を実施、感染経路などを調べている。

■高齢患者4人死亡

 枝幸町国保病院によると、2階建て病棟のうち、一般病床と療養病床のある2階で5日に患者6人、6日に同5人が感染した。同病院は6日、院内の医師らでつくる感染防止対策委員会を開き、面会制限や2階病棟への立ち入りを禁止したが、感染者を隔離しなかった。この理由について白井院長は、「全83病床のうち78床が埋まっていて、隔離できなかった」としている。

 8日に感染者と同室の他の患者に抗インフルエンザ薬を投与したが、感染は拡大。感染者のうち、9日から16日にかけて81~100歳の男女4人が死亡した。死因は老衰や誤嚥(ごえん)性肺炎などだった。白井院長は、92歳の女性2人と100歳の男性1人について「インフルが直接の死因ではないが、死期を早めた可能性がある」と説明。残る81歳女性については「死期を早めた可能性はない」としている。14日以降、新たな感染者は出ておらず、16日現在の感染患者は1人。

 厚生労働省は通知で、施設内でインフルの集団感染発生の際には保健所等に報告するよう求めているが、同病院は報告していなかった。稚内保健所も、年に1度の立ち入り検査の際、速やかな報告を口頭で指導し「いろいろな機会に指導していたにもかかわらず、報告が遅れたことは大変残念」としている。

 道は16日から各保健所を通じ全道約4100の医療機関に、インフルなどの集団感染の速やかな報告を求める通知を始めた。