昨日、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)が閣議決定されました。「社会保障制度の再構築を後回しにして、来年の統一地方選や参院選対策であるのは明らかだろう。選挙目当てのご都合主義と言うほかはない。あまりに無責任だ」とする北海道新聞の社説に同感です。何度この政権は同じことをするのでしょうか、全ては選挙対策と政権維持しか考えない、現政府の方針に国民の理解は得られません。
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【北海道新聞】 骨太の方針 何のための消費増税か
2018.06.16

  政府はきのう、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を閣議決定した。
 2019年10月に消費税率を10%に引き上げると明記した上で、増税後の経済悪化を食い止めるため、19、20年度の当初予算に対策経費を盛り込む考えを示した。
 増税分の税収約5兆円のうち、借金返済に充てるはずだった約2兆円が2年間、そっくり景気対策に回る公算が大きく、財政健全化はその分遠のく。何のために国民は新たな負担を求められるのか。これでは全く意味が分からなくなる。安倍晋三首相が約束していた「増税に耐えうる経済」が実現していないのであれば、増税そのものを見送るのが筋である。
 過去の税率引き上げの際には、事前の駆け込み需要の反動による消費の冷え込みが目立った。それでも景気対策の財政出動には同意できない。第一に、需要の先食いにしかならないことである。

加えて懸念されるのが、財政規律の緩みである。
 景気対策を盛り込んだ当初予算の一般会計総額は初めて100兆円を超す可能性が高い。消費喚起を名目にすれば、どんな事業でも認められる結果になりかねない。新たな国民負担を求めた結果がばらまきでは本末転倒だ。そもそも消費税増税の目的は、持続可能な社会保障制度を確立することにあった。
 国民が将来への不安を持たずに生活できる仕組みをつくることが政府の責務であり、消費税はそのための貴重な財源のはずだ。ところが首相は選挙のたび増税を延期したり、借金返済分を教育無償化に回したりと消費税問題を都合良く利用し、社会保障制度の再構築を後回しにしてきた。今回の財政出動方針も、来年の統一地方選や参院選対策であるのは明らかだろう。選挙目当てのご都合主義と言うほかはない。あまりに無責任だ。