高齢化に伴って、認知症の高齢者による契約トラブルが増えてきています。福岡で認知症患者に商品販売をしたとして消費者庁は福岡の業者に特定商品取引法違反として業務停止命令を下しました。認知症と診断された高齢者が売買契約をした場合、それを無効とすることはできるのでしょうか?売買契約などの経済活動の場面では、子供や認知症の人、知的障害・精神障害のある人のように、十分な判断能力を有しない人に対して法的に保護する必要があると考えられています。 意思無能力状態のため売買契約が無効であると主張するためには、その売買契約の時点での医師の診断書がある等の事情がなければ、意思能力がないことの立証は難しいのかもしれません。
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認知症患者に商品販売=消費者庁、福岡の業者に業務停止命令
時事通信2018.09.16

 認知症の高齢者らに健康食品の購入を電話勧誘し、契約を結んだなどとして、消費者庁は14日、特定商取引法違反(判断力不足便乗など)で販売業者「薬慎童」(福岡市博多区)に3カ月の業務停止を、同社代表ら3人に3カ月の業務禁止を命じた。
 消費者庁によると、同社は高齢者らの自宅に電話し、サメの成分などが含まれるという「深海の恵と大地の力」のお試し品(1080円)の購入を勧誘。購入者の中には、アルツハイマー型認知症と診断され、家族らの介護なしには生活が困難な人もいた。商品を勧める際、商品名や値段を説明しない例もあった。