いよいよ本格的な冬到来で吹雪が舞う北海道の地震被災地で住宅を失った被災者は全壊、半壊併せて1100戸となりますが、11月までに漸く仮設住宅が223戸建設されました。高齢者が多く、自宅の再建は困難と考えられ、今後災害公営住宅の整備が待たれます。非難所→仮設住宅→災害公営住宅への速やかな住み替えが必要です。住み替えに時間をかけられないとすれば、全国にある空き家を災害公営住宅として登録しておき、必要に応じて買い上げ、整備する対策が必要です。とにかく時間勝負なのです。
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震災の教訓 胆振東部地震から3カ月
(3)生活再建の課題山積 重要性増す被災者ケア

苫小牧民報2018.12.10

 ■生活再建へ一歩
 厚真、安平、むかわの胆振東部3町では、地震で約1100戸の住宅が全壊、または半壊する被害となった。住む家を失った被災者の生活の場を整えるため、道は11月末までに仮設住宅を3町に計223戸建設。公共施設の避難所で長く暮らした人たちが、仮設住宅でようやく生活再建への一歩を踏み出した。道はさらに年内完成予定の計10戸を追加整備し、被災者のニーズに応える考えだ。

 厚真町鹿沼で農業を営む山崎基憲さん(44)は地震で自宅が全壊。家族6人全員で避難所に身を寄せた。待望の仮設住宅にやっと入居できたのは11月4日。簡易なプレハブ造りのため、「夜は床が冷たく、厚手のウレタンマットを敷いて過ごしている」と言うが、避難所と比べると快適だという。

■災害公営住宅の整備

 仮設住宅の整備で被災者の暮らしが落ち着きを取り戻しても、行政や関係機関による長期の支えが欠かせない。日常のケアのほか、2年の入居期間を終えた後に安心して暮らしていくための住まいの確保にも、支援の目を向ける必要がある。再び自宅を用意することが経済的に難しい高齢者なども少なくないとみられからだ。

 東日本大震災の被災地では、仮設住宅からの住み替えを促すため、災害公営住宅を整備した。胆振東部3町でもこうした先例を踏まえ、同住宅の建設を視野に入居者へ意向調査を行う予定だ。

 避難から生活再建へと、次の段階へ歩み出した被災者。これからの険しい道のりを行政や関係機関がどうサポートしていくか。国内で災害が頻発する中、3町の支援活動が一つのモデルケースとなって生かされることも望まれる。