「[孤独死の年間3万人という数字をざっと身近な単位に置き換えてみると、1日当たり約82人、1時間に約3人以上という計算になる(!)。自殺者が近年3万人を切ったことからしても、途方もない数であることがわかる。」これが今日本で起きている孤独死の実態です。2030年には3世帯に1世帯が単身世帯となる社会を我々は迎えようとしています。今、手を打たねばなりません。
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「母の孤独死」42歳男に突如訪れた壮絶な現場 増加する単身世帯、誰の身にも起こりうる
東洋経済オンライン2018.12.10
 誰にも看取られることなく、ひとり、部屋で亡くなる孤独死――。

ニッセイ基礎研究所によると、現在その数は年間約3万人と言われている。 そして、同研究所はこの数は、今後さらに増えるだろうと予測している。生涯未婚率の増加などによって、単身世帯は年々増加の一途をたどっているからだ

家族に孤独死が起こってしまったら、具体的にどのような現実が待ち受けているのだろうか。

孤独死を身近に感じる人は、単身高齢者の4割超

内閣府の平成28年度版の高齢社会白書によると、孤独死を身近な問題だと感じるという人は、単身世帯の高齢者では、ゆうに4割を超えている。これは、いつ自分の身に孤独死が起こるかもしれないという不安を潜在的に抱えて生活している人がそれだけいるということだ。

拙著『孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』でも詳しく解説しているが、これだけ社会的に注目を集めている孤独死の年間3万人という数字をざっと身近な単位に置き換えてみると、1日当たり約82人、1時間に約3人以上という計算になる(!)。自殺者が近年3万人を切ったことからしても、途方もない数であることがわかる。

遺族にとって孤独死は「メガトン級のトラウマ」

孤独死は、残された遺族にとって悲惨であることは間違いない。

家族は、生涯、なぜ連絡を取らなかったのかとずっと自分を責め続け、夏場なら腐敗によって強烈な臭いがして、部屋に入ることもままならなくなる。それだけでない。その被害は周囲にも及んで、アパートやマンションだと隣人は引っ越しを余儀なくされることもある。警察の家族への事情聴取は、致し方ないとはいえ、家族関係を根掘り葉掘り聞かれることから二重にショックを受けることになる。

今回、和彦さんの一家が支払った掃除代金は、108万円。遺品整理の分を除くと約半分だというから、金銭面ではやはり多額の清掃費用がかかることとなる。社会の貧富の二極化がますます進み、貯蓄ゼロ世帯が急増していく中で、このような負担は過酷なものである。

2030年には、3世帯に1世帯が、単身世帯となる計算となる。

単身世帯が右肩上がりで増え続ける現在、孤独死は、誰の身に起こっても不思議ではない。

孤独死の現場は、私たちの未来を映し出しているかもしれない。